相談回答詳細
指名:相川晴(HAL) 先生
補完食における水分補給の考え方
10歳未満男性
回答済み
ご質問ありがとうございます。本も参考にしてくださってありがとうございます!
保育園から、登園後に保護者が麦茶を飲ませるよう指示があったけれど、補完食の観点から水分摂取はどうしたらよいか? というご質問ですね。
確実な答えがあるものではないので、私の考えとして聞いていただけますと幸いです。
母乳は電解質のバランスもよいので、授乳中の水分補給は、基本的に母乳で大丈夫です。ただ、補完食(離乳食)を進めていくと徐々に飲む量が減ってきますし、減るスピードもその子によってまちまちです。また、活動量などで汗をかいたりして必要になる水の量もこれまたまちまちなので、一律に「母乳(ミルク)だけ飲んでれば水はいらない」というものでもないんですね。
ではどうかと考えますと、「足りなければ都度水分を足す」になります。おしっこの量が普段より少ない(おむつを交換する頻度が少ない)、おしっこの色が濃いなどは目安になりますし、喉も乾くので要求があれば都度水分を足します。
ただ、現実問題としていつでもミルクや母乳を準備できるわけではないですし、生活リズムもありますので、その時は水や麦茶(甘くない&カフェイン入ってないものならOK)を飲ませてあげてOKです。水は比較的速やかに胃から流れて行くので、補完食(離乳食)の直前や食べさせてる最中に大量の水をあげるのでなければ、食べる量にそこまで影響はないと思います。が、もちろん脱水で「水分補給」を急がなくてはいけない時は、水分補給を優先しますし、時間はかたく考えなくて大丈夫です。
ちなみに食事中に水をあげる時は、WHOの補完食には"食事と一緒に飲み物を与える場合、食事の最後までとっておくのが最も良いでしょう。そうしないと、子どもは食事を食べたがらないかもしれません。"と書かれています。
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/66389/WHO_NHD_00.1_jpn.pdf?sequence=2
さてここまでが前置きとして(長い! ごめんなさい!)
WHOの補完食の中には水分補給の話はあまり多く書かれていませんが、"FEEDING THE NON-BREASTFED CHILD 6-24 MONTHS OF AGE"という母乳育児をしていない子向けの資料によると、「食事中に含まれる水分以外に、温暖な気候では450ml〜600mlの水分が必要」ということが書かれています。
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/68938/WHO_FCH_CAH_04.13.pdf?sequence=1
今の質問者さんの状況から考えますと、食事に加えて哺乳量がしっかりとありそうなので、体重から考えても追加の水分はあまり必要ないのでは? と思うところです。
とはいえ、その日の気温や活動量によりますし、お子さんに試しに麦茶を飲ませて飲むようであれば飲ませて全く問題ないです(喉が渇いていないとあまり飲みたがりませんので、飲まないようならその時点ではおそらく足りてます。多すぎる水分は尿として出ていきます)。
タイミング的にも食事や授乳へ影響もないと思いますし、保育園からの指示でもありますので、ストローやコップ練習もかねて飲ませてみたらいいかなと思います。
量は(活動量によりますが)あまり必要なく、AAP(アメリカ小児科学会)のサイトでいうなら、12ヶ月までは1日あたり4〜8オンス(113〜227ml)でOKです。
以上になります。
少しでも参考になれば幸いです。
2023年03月12日 22時22分
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