相談詳細
とびひ疑い、フロモックス飲ませていいか
10歳未満男性
こんにちは。
ご相談いただき、ありがとうございます。
とびひに対して処方されたフロモックスを服用してもよいのかというご相談ですね。なかなか皮膚の病態が落ち着かないのは、お子さんのかゆみの面でも見た目という面でもご心配かと思います。
確かにフロモックスは最近あまり処方されなくなってきているお薬ですし、インターネット上にもご指摘ただいているような低血糖などいくつかの注意点が出てくるかと思いますので、ご心配になられる方も少なからずおられます。
まず、私の考える結論としては、通院されている病院でとびひと診断されて処方されているようでしたら、内服していただいて構わないかと思います。
フロモックス(一般名セフカペンピボキシル)など第3世代セフェム系抗菌薬は少し前まで日本国内でもかなり幅広く使用されていました。
特に皮膚感染症や尿路感染症、腸管感染症などで使用されることが多く、現在でも使用している医療機関は少なくありません。
しかし、主に下記の3つの要素から使用されなくなってきています。
① 消化管からの吸収率が低く、便として出てしまうこと(これを揶揄してDU薬:だいたいうんこ薬といわれることもあります)
② 良くも悪くも幅広い菌に効果があり、大腸内に滞るため腸内細菌に影響がある(これによって耐性菌が体に定着する可能性がある)こと
③ 一般名にありますが「ピボキシル基」というものが吸収のために付いているのですが、それが体内のカルニチンを消費してしまい、低カルニチン血性による低血糖のリスクがあること
ただ、メリットが全くないわけではありません。
だいたいうんこになってしまうとしても効果があることは事実であり、味や量の面で服用はしやすいことなどがあります。
私自身は最近では他の薬剤を主に使用しているため処方することはほとんどありませんが、絶対に使用しないというわけではありません。
とびひの治療は日本皮膚科学会の「とびひ(https://www.dermatol.or.jp/qa/qa13/q01.html)」などをご参考いただければと思いますが、起炎菌は黄色ブドウ球菌や溶連菌などが多く、セフェム系抗菌薬はよく使用されます。
確かに第一世代セフェム系抗菌薬など他の選択肢がないわけではありませんが、短期的な使用であればフロモックスなど第3世代セフェム系抗菌薬は一般診療として十分な選択肢になると思います。
上記のため、とびひの治療として効果を確認するためにも処方された日数は服用していただくことをおすすめします。しかし、それでもご心配が強いようでしたら他の薬剤の選択肢はないかなどご相談いただくことも手ではあると思います。
なお、風邪など本来抗菌薬を服用する必要がない場面で処方されている場合には、やはり服用しない方が良いのではないかと勧めます。
ご参考になりましたら幸いです。
お大事になさってください。
大変わかりやすい説明をありがとうございました
朝飲ませた後に少し元気がないように見えたので、念の為明日処方してくださった先生に相談しようと思います。(その先生にはお伝えしてありますが、私がフロモックスで湿疹が出たことがあります。そのため不安になり過ぎているかもしれませんが。。)
2023年03月16日 14時00分