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相談詳細

指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

湿疹のステロイドについて

10歳未満男性

現在3歳6ヶ月の男児です。生後3ヶ月くらいから乳児湿疹でかかりつけの小児科でステロイドと保湿剤を処方してもらい使用しています。
初めは湿疹の部位にキンタベートが処方され塗っていましたが、よくなって塗る回数を減らすと再燃するためやめられずにきています。1歳半くらいの時にアトピー性皮膚炎かと聞いてみましたが「湿疹はよくあることですから」と診断には至っていません。アレルギー科の看板も掲げているため信用して処方通りに軟膏を使用していましたが現在もステロイドをやめられずにキンタベートでは良くならないため体はボアラ、顔はキンタベート→体も顔もボアラとなりました。
現在朝夜に塗っており、掻きむしって瘡蓋になる以外はひどくならずに経過しています。

先日目の痒みと掻きすぎて腫れたため、かかりつけがお休みだったので別の小児科にかかったところ「普通は顔には強いステロイドは使わないんだけどな」と顔用にロコイドを処方されました。
今までのかかりつけの病院に今後もかかってよいのか不安になっております。
もう3年もステロイドを使い続けておりやめられないことにも不安です。

ステロイドの使用の仕方や先生のご見解を聞ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。3歳のお子さん、ステロイド外用薬の使用について、「生後3ヶ月くらいから湿疹、かかりつけの小児科でステロイド外用薬と保湿剤を処方してもらい使用、キンダベートで改善するも回数を減らすと再燃して続行中、最近はキンタベートでは改善せず体はボアラ・顔はキンタベート、さらに顔もキンダベートからボアラになった、アトピー性皮膚炎とは言われていない、先日目のかゆみのため別の小児科に受診、「普通は顔には強いステロイドは使わないんだけど」と言われた、どうすれば良い?」というご質問でした。

まずはアトピー性皮膚炎の診断についてですが、確かに「アトピー性皮膚炎」という診断名を口にされない先生もいらっしゃいますし、親御さんでもアトピー性皮膚炎かどうかをすごく気にされる方もいらっしゃいますが、僕はやはりアトピー性皮膚炎のお子さんと診断するのであれば、ごまかさずに正しい診断名をお伝えした方が良いと考えております。病名を言った方がその後の治療の計画にも関係しますし、喘息などと同様でアトピー性皮膚炎は上手く治療され落ち着けば「症状が無くなる」「ステロイド外用薬を卒業する」ことが出来る疾患だも考えておりますので、「アトピー性皮膚炎」の診断名自体よりも「お子さんの皮ふの状態を良く保つ」ことがなにより重要だと考えております。つまり、「アトピー性皮膚炎ではないから薬を継続しなくて良い」「アトピー性皮膚炎だからもう治らない」という誤解をしないようにしっかりお話をして、「アトピー性皮膚炎だけどお子さんの場合上手く治療すれば保湿剤だけに出来ることが多いので一緒に頑張りましょう」という方向性でお話しております。

実際のアトピー性皮膚炎の診断についてですが、日本皮膚科学会のQ&A「アトピー性皮膚炎はどのようにして診断されますか?」の中に書かれておりますが、「①そう痒」「②特徴的皮疹と分布」「③慢性・反復性経過」の3つがあれば、アトピー性皮膚炎の診断となります。補足しますが、「②特徴的皮疹と分布」とは「左右対側性」に「前額、眼囲、口囲・口唇、耳介周囲、頸部、四肢関節部などの好発部位」、特に乳児期だと「頭、顔にはじまりしばしば体幹、四肢に下降」、幼小児期であれば「頸部、四肢屈曲部の病変」に湿疹が出ることが多いです。「③慢性・反復性経過」とは「乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上」続くこととなります。おそらくお子さんはアトピー性皮膚炎の可能性が高いのではないかと思われますので、またかかりつけの先生にお尋ね下さい。

さて、前置きが長くなりましたが、ステロイド外用薬についてですが、しっかり湿疹が治る強さのステロイド外用薬を塗る必要があります。そして上にも書きましたが、落ち着かせて保湿剤だけにすることが目標となります。子どもの顔の場合、確かに、ボアラ(strong)クラスの外用薬を塗らなくてもキンダベートで改善することはよくありますが、湿疹がキンダベートで治らない程度に悪化してしまった場合には、そのままキンダベートをずっと塗り続けていても治りが遅くなりますので、痒い期間が長くなったり、より悪化したり、お子さんにとって良いことはありません。要するに、湿疹を治す適切な強さのステロイド外用薬を使用することが重要で「顔だから」「乳児だから」という基準だけで塗り薬を選択はしておりません。もちろん、軽い湿疹にわざわざ強いステロイド外用薬を塗る必要はありませんが、湿疹の状態が悪化したのであれば、かかりつけの先生が短期的にボアラにすることについては僕は特に変だとは思えません(湿疹の状態がわかりませんので憶測ではあります)

今後の治療の相談としては、いかに湿疹を治してステロイド外用薬を減らすかということかと思いますので、親御さんが正しく塗れているかを再確認したり、本当に湿疹で良いのか再検討したり、ステロイド外用薬の減らし方を相談したり、ステロイド外用薬以外の塗り薬を追加したり、かゆみが強ければ抗ヒスタミン薬の飲み薬を追加したり、様々な検討点や選択肢があろうかと思います。ぜひかかりつけの先生に再度ご相談し今後の治療につき検討して頂くと良いかと思います。その結果、治療の方針にご納得がいかない、なかなか治らないという際には他の小児アレルギーの専門医の先生や小児が得意そうな皮膚科の先生に受診されると良いかと思います。

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2023年03月24日 21時19分


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