目の周りにキンダベート塗布する期間や頻度について

10歳未満女性

ご多忙な中、情報発信してくださりありがとうございます。
いつも参考にしています。

キンダベートを子供の目の周りに使用する際の適切な期間や頻度について、アドバイスをいただけたら幸いです。
何科の先生にお尋ねすればよいか分からず、失礼があったら申し訳ありません。

7歳女児、以前に皮膚科医からアトピー性皮膚炎との診断を受けました。
普段は、服薬やヒルドイドのおかげか目立った肌トラブルはありません。
気管支のトラブルが多かったこともあり、基本的には小児科に定期通院し、症状が悪い時に少し遠方の皮膚科を受診しています。(先生方はご了解済みです)

そんな娘に、数ヶ月前から目の周り、特に目頭にかゆみと湿疹があります。
ワセリンや小児科処方のネオメドロールでは改善しなかったため皮膚科を受診し、アトピー症状とのことでキンダベートと、かゆみ止めの上乗せでセレスタミンが処方されました。

ステロイドが治療に必要なことは理解しているものの、目の周りということで、眼圧亢進や緑内障などの副作用が心配です。
一般的に、どれくらいの期間や頻度で使用すると副作用が懸念されるものなのでしょうか?
また、目の周りのアトピー症状について、ポイントなどお聞きしたいです。(ざっくりとした質問で申し訳ありません…)

なお、皮膚科医からは、①1週間はワセリン+キンダベート②その後はワセリンや日焼け止めで保護③症状が出たら再度①を、とのご指示でした。
現状では、②に移ると数日で症状が出てしまいます。

以上、拙い説明で恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

こんにちは。ご相談いただき、ありがとうございます。


アトピー性皮膚炎の治療における、目の周りのステロイド外用薬の使い方についてのご相談ですね。


現在アトピー性皮膚炎として落ち着いてはいるものの、数ヶ月前から目の周辺のかゆみや湿疹が出てきている状況で、確かに期間が長くなってくるとどうしたらよいか悩まれると思います。

ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の治療で最もメインの治療であるのは間違いないものの、相談者さんがおっしゃるように使用方法などを考えつつ、正しく恐れながら使用するというスタンスが大事だと思います。そういった意味でご心配なさっていることについても、間違いなく大切な点なのでよく考えられておられ、素晴らしいなと感じました。


目の周りの湿疹についてどう対応するべきかについてはアトピー性皮膚炎の診療ガイドラインにもしっかり記載があります。要点としては以下の通りです。

・目の周辺の湿疹は、目の周囲の炎症や網膜剥離、白内障などの病気のリスクが上がるため、なるべく早急に治療して炎症を抑えることが大切。

・治療による目の障害には注意が必要。保湿剤は安全だが、ステロイド外用薬は緑内障や白内障のリスクを高める可能性がある。しかし、すべての患者に当てはまるわけではない(どの患者に当てはまるか予見することは難しい)。

・ステロイドの内服薬・注射薬などの全身投与やランクの高いステロイド外用薬はリスクが高いが、ランクの低いステロイド外用薬はリスクは低い。

・タクロリムス軟膏などの非ステロイド系の抗炎症薬は目周囲にも安全に使用することが可能。


上記となります。

私が目周囲の湿疹がある場合に勧める治療としては、始めはキンダベートなどマイルド系のステロイド外用薬で炎症を抑え、赤みやかゆみが落ち着いた段階でタクロリムス軟膏やコレクチム軟膏などの非ステロイド系の外用薬に変更していくということが多いです。

タクロリムス軟膏は炎症が強い段階で使用すると、刺激感が強いです。大丈夫な方もおられますが、落ち着いた所で変更していくのが無難です。

なお、他の湿疹が落ち着いているのに目の周囲だけ湿疹が強い場合には何らかの原因がないか評価をすることは合わせてとても大切です。時期的には花粉症や黄砂などが影響しているかもしれませんが、その場合には登下校・体育など外で移動する際にはメガネを装着する、アレルギー性結膜炎がある場合には点眼薬などをしっかり使用していくなどの対策が必要です。帰宅後に顔を洗って、保湿をするというのも対策になることがあります。

また、一部の患者さんでシャンプーや日焼け止めなどにかぶれていることもあります。湿疹が悪化しやすい部位などをしっかりメモしておき、皮膚科の先生と対策についてご相談いただくことをおすすめします。


ご質問への回答としては上記となります。

参考になりましたら幸いです。


参考

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021

大変勉強になりました。具体的な使用頻度や期間の上限は目安がないようで素人判断の難しさを再確認しました。
一方原因探しなど家庭でできることがまだあることもよくわかりました。娘の体調を気にかけ、ガイドラインや本で勉強してみます。折を見て病院も受診したいです。
ありがとうございました。

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2023年04月18日 10時23分


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