指名:おとらりんたろう, MD, PhD 先生

授乳中の薬について

30代女性

1歳1ヶ月の子供をもつ母親です。
子供の鼻風邪を貰ってしまったのか、本日鼻水、くしゃみが酷かったので耳鼻咽喉科を受診しました。
初診だったので授乳中であるところにチェックをしたのですが、
私自身もその時に授乳中であることを念押しした方が良かったのですが、貰った薬がたくさんあり、授乳中でも大丈夫なのか帰ってきてから不安になりネットを調べたところ
薬処方の一つの
ベポタスチンベシル10mg について、授乳中は避ける方が望ましいと書いており気になっています。
すでに服用してしまったので、母乳はやめておいた方がいいでしょうか?
(今現在は離乳食もしっかり食べているので、これを機に断乳しても良いかなと考えています。)
お忙しいところ申し訳ありませんが、先生の意見をご教示いただきたいです。
よろしくお願いします。

ご質問いただきありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません。授乳中ということがうまく伝わらなかったためか、鼻風邪に対しベポタスタチンベシル10mgの処方をうけ、どの様に対応したら良いか迷っているということですね。2通りの対応がありますので、お話していきます。


まず、ベポタスタチンベシルを授乳中に内服することが安全かどうかについてお話します。ご指摘の通り、本薬剤の添付文書では授乳中は避けることが望ましいという記載があります。これは授乳に移行する可能性があることがその理由です。本薬剤は抗ヒスタミン薬といって、アレルギーの諸症状を抑える効果がある薬剤で、7歳以上には処方可能となっています。抗ヒスタミン薬の中でも第二世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる新しいグループに所属し、比較的副作用も少なく安全に内服できるとされています。確かに授乳中には避けるほうが望ましいとの記載はありますので、理想的には授乳せず内服するという方法が選択肢に挙がります。ただ、乳汁に移行して赤ちゃんが内服したとしてもそこまで気にしなくてはいけないほど副作用が強い薬ではないのは事実です。ですから、もし気づかず内服して授乳したとしても、少し様子を見る程度で大きな問題にはならない可能性が高いでしょう。


ここで、視点を変えて鼻風邪の鼻水にベポタスタチンベシルが効くかどうか、について考えます。実は本薬剤を含めた抗ヒスタミン薬は、アレルギーによる鼻水には効きますが、風邪の鼻水には効果がありません。実は旧世代の抗ヒスタミン薬は風邪の鼻水にも効果がありました。しかし、副作用として強い眠気やけいれん誘発などがあったため、最近では使用頻度が大きく減っています。ではなんで処方するのか?ということになります。慣習的に鼻水に対して抗ヒスタミン薬を処方しているか、もしくは鼻内の所見からアレルギー性鼻炎の可能性があると判断したか、のいずれかになると考えます。もし今回の鼻水が明らかに鼻風邪であり、花粉症やアレルギー性鼻炎の可能性がないというのであれば、そもそも本薬剤を飲まないというのも選択肢に挙がります。


ということでまとめますと、

  • 内服を続けるなら、理想を言えば授乳は一旦中断し内服する。気づかず内服して授乳しても大きな問題にはならない可能性が高い
  • 明らかに鼻風邪による鼻水の場合、本薬剤を飲まないでおくというのも一つの方法である


一点だけ追加で申し上げますと、処方されている中でマーズレンS配合顆粒についても授乳中の方に対しては注意をするよう記載がなされています。本薬剤は胃炎や腹部症状に対する処方薬です。このお薬も乳汁に移行する可能性があるわけですが、数回赤ちゃんに与えたくらいで大きな問題になる可能性はほぼ無いと思います。ただ、お腹の症状がなければ内服しなくても良いかもしれません。


以上回答させていただきます。この回答がお役に立てば光栄です。またわからない事があればいつでもご相談下さい。

詳しく説明下さりありがとうございます!

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2023年04月28日 09時22分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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