赤ちゃんの免疫力について

10歳未満女性

10ヶ月の子どもがいます。
うちの子は3歳頃までは保育園等には入れず、自宅でみる予定です。

コロナも不安ですし(一度罹患しましたが)、感染症が小児の間で流行しているので、支援センターなどの子どもが集まる場所へ出かけるのを控えています。
スーパーや空いている時間の商業施設へは出かけます。

このような生活なので、コロナと軽い風邪くらいしかひいたことがありません。しかし、3歳頃までに適度に子供にメジャーな感染症(RSやアデノなど)や風邪はひいておいたほうが免疫力がつくのでしょうか。また、赤ちゃんはコロナ再感染は症状が重くなるなどの傾向はありますか。
長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

【赤ちゃんの免疫力】についてのご相談ですね.


せっかくご相談いただいたのに回答が遅くなり, 

申し訳ありませんでした.


【乳児期に感染症にかかることを勧める小児科医はいない】

と思います.


【乳児期の感染症が将来に影響を与える場合がある】ためです.


有名なのはRSウィルスです.

乳児期にRSウィルスにかかると, 少なからず気道(空気の通り道)にダメージが出てしまい, 喘息のような症状が出やすくなることが知られています.


またCovid-19に関しても, 倦怠感や味覚障害などの後遺症が子どもでも起きていることがわかっています.

(お子さんたちは自分で症状を自覚できないために, 発見が遅れていると思います.)


全ての感染症を防ぐ必要はないと思います.

ただ, 防げるものは防ぎましょう.


・予防接種・ワクチン

・(大人の)マスクや手洗い


反対される方はいますが, 小児科医としては必要だと思います.

これが現時点での小児科学会の考え方だとも思います.


参考になれば幸いです.🌟

2

2023年06月14日 15時10分


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こんにちは。ご相談いただき、誠にありがとうございます。

返答が遅くなってしまい、申し訳ありません。

生後10か月のお子さんとなるべく感染症にならないように意識して生活をしているが、3歳ころまでにメジャーな感染は経験しておいた方が免疫力がつくのかというご相談ですね。

このようなお悩みを感じられている方は少なくありません。特にコロナ禍で本当に感染症にかからずに2−3年過ごしているという小さいお子さんもよくおられます。


感染症を早いうちに繰り返した方が良いかというご相談に対して、どっちの方が良いと明確に回答することは正直にいって難しいです。それぞれのメリットとデメリットを考えて、どう捉えるかという問題かなと思います。また、ご家庭の状況によっても意義は変わってきます。


小さな頃から感染症を繰り返す場合のメリット

・小学生くらいの頃に風邪を引く回数が少なくなる可能性がある

→ 集団生活をされているお子さんは2-3歳くらいまでの感染症罹患回数が多いですが、小学生頃には集団生活をしていなかった人より減ってきます。ただ、13歳ころには差がなくなるという報告があります。

Arch Pediatr Adolesc Med. 2002;156(2):121-126. doi:10.1001/archpedi.156.2.121

・一部の感染症は小さな頃にかかった方が「楽」な場合もある

→例えばEBウイルスやサイトメガロウイルスなどのウイルス感染症は乳幼児期にはほぼ無症状のこともありますが、思春期以降など年齢が上がってから始めて感染した場合には、比較的強い症状が出ることもあります。


感染症を繰り返す場合のデメリット

・多くの感染症が高年齢児より重症化しやすい

→例えばRSウイルスなどは2歳以降に感染した場合には、比較的軽症で終わることが多いですが、1歳未満特に乳児期早期に感染すると重症化してしまい、入院が必要になることも珍しくありません。他にも百日咳などは4種混合ワクチン接種前に感染した場合には重症化リスクはかなり高いです。その他の風邪であっても、繰り返しているうちによく寝られなくなり、肺炎や中耳炎を合併して入院することも少なくありません。

・小さなころの感染がしばらく尾を引く可能性がある

→例えばRSウイルス感染症に乳児期早期に感染してしまった場合には、その後しばらくの間風邪を引く度にゼーゼーしてしまうようになることがあります(反復性喘鳴といいます)。同じように喘息気味になってしまい、しばらく吸入などの治療が必要になる方も珍しくはありません。

・その他の基礎疾患が感染によって悪化することがある

→例えばアトピー性皮膚炎や気管支喘息などは感染症によって体調が悪くなることで悪化することはよくあります。また、てんかんなどのご病気がある方も熱が上がると発作を起こしやすくなることもあります。悪影響として長期的に続くわけではありませんが、感染症による一時的な悪化はどうしても付いて回ります。

・ご家族もお子さんの看護が大変ではある

→小さな子が体調不良のときは機嫌が悪くなったり、食欲が落ちてしまったりするなど、家で見ていても大変なことが多いです。また、鼻水によって夜はご家族も寝られないことは少なくありません。頑張ってケアをしていると、ご家族にうつってしまうこともあります。


上記のことから、私の意見としては、基本的には小さな頃に感染症を多く経験するメリットはあまり大きくはないため、感染症に経験しておきたいということを主な理由として集団生活をすることはおすすめしません。

ただ、集団生活や支援センターには、感染症とは別のメリットもたくさんあります。それは、お子さん自身もご家族も家族以外のいろいろな人と関わることができ、コミュニケーションの幅が広がったり、地域の情報を入手できたりすることがあります。

お子さんの発達という面ではやはり色々な経験ができていること自体はメリットになることも多いです(こちらも長期的に良い影響があると断定できるわけではありません)。


上記のため、保育所などの集団生活は状況に応じてで良いかと思いますが、支援センターなどには余裕があれば少し行ってみていただいても良いのかなと思います。もちろん支援センターでの短時間の交流でも感染症をもらってしまう可能性はありますが、感染してはいけないわけではないので、多くの方にとって十分許容できるのではないかと思います。


大部分は一小児科医の個人的な意見ではありますので、医師によっても少し印象は変わる場合もあることをご了承ください。ご家庭の状況によっても感染症への対策は変わってくると思いますので、少しだけでもご参考になりましたら幸いです。

なお、「免疫力」という認識については、堀向先生のYahoo!記事がとても参考になりましたので、よろしければ合わせてご確認ください。


・今起こっている『免疫力低下』とは、どういう意味ですか?(https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20230608-00352917)

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2023年06月14日 15時48分


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