発熱後の足の痛み、歩行困難について

10歳未満女性

18日深夜に39.0の発熱があり、小児科にてインフルエンザ、コロナウイルス、溶連菌の検査全て陰性でした。
21日朝解熱し、37.0になりましたが、起床時から下肢(ふくらはぎあたり)の痛みを訴え、立つこと、歩行することが困難になりました。また、臀部、太腿、腹部、腕、足に小さく赤い発疹も見られています。
血液検査の値でふくらはぎに炎症があることが分かりましたが、ウイルス感染が影響して筋肉炎を起こしているのか、免疫が異常な反応をしてしまっているのかが分からないとのことでした。

今後起こりうること、今私たち親にできること、主な治療法についてお聞きしたいです。

こんにちは。ご相談いただき、ありがとうございます。

お子さんが解熱した後から足の痛みから立つことや歩行が困難になり、血液検査で筋肉に炎症がありそうだが原因がはっきりしない状況で今後どうしていくべきかというご相談ですね。

急に歩けなくなってしまうなどご心配だと思います。


すでに血液検査をされているということですので、おそらくCK(CPK)などの数値が高く、筋炎を疑われている状況でしょうか。

実際に診察をさせていただいているわけではないため、基本的には現在通院されている先生と引き続きご相談いただければと思いますが、一般的なことについてお答えさせていただきます。


筋肉に炎症が起こっている状況を筋炎といって、炎症による筋肉の痛みや筋力低下などを起こします。原因としては、自分の免疫が自分を攻撃してしまう自己免疫性のものやウイルス感染などに伴う感染性のものなどがあります。

現時点でどちらかという判断は難しいのですが、体調不良後に急激な発症をしている状況からは、まずは感染による筋炎を疑っている状況ではないかと思います。


感染による筋炎はインフルエンザウイルスやエンテロウイルスなどのウイルスが原因のことが多いですが、他のウイルスでも起こることはありますので、発熱時の各種検査でウイルスが同定できていなくても十分可能性はあります。

平均的には3-4日程度で痛みが落ち着き、1週間程度すれば特に問題なく過ごせる方が多いですが、個人差もあります。長いと1ヶ月程度続く場合もあるといわれます。

基本的な治療は、安静と対症療法(痛み止め)でそれ以外は本人が無理しない程度で生活していただいて構いません。食事や排泄を含めて行動がかなり大変な場合には、入院で経過をみることもあります。


また、自己免疫性による筋炎がたまたまこのタイミングで発症した可能性も0ではありません。こちらはすでに自己抗体の検査を提出されているかもしれませんが、感染によるものにしては症状が長く続くような場合にはしっかり検査をして適切な治療につなげていきます。


発疹については実際に拝見しなければなんとも言えません。自己免疫性で発疹が出ることもありますが、ウイルス感染後に発疹が出ることも珍しくないため、長く続く場合や気になる場合には必要に応じて皮膚科の先生と相談する場合もあります。


お答えとしては上記となります。原因をすぐに同定することは難しいのですが、痛みによって動けないという要素と筋力低下という要素もあるので、必要に応じて痛み止めを使用しつつ様子をみていただければと思います。

ご家庭では、食事や水分を通常通りとっていただくことなどはしつつも、それ以外に特別な対応は不要です。ただ、状況をしっかり確認して症状が続いた場合に比較できるようにときどき動画などをとっておいていただくと診療の参考になります。


ご参考になりましたら幸いです。

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2023年06月22日 14時27分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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