相談詳細

指名:おとらりんたろう, MD, PhD 先生

喉の痛みと咳に対するクラリスロマイシンの処方について

40代女性

未就学児がおり、しょっちゅう咳や鼻が出ています。小児科に連れていくとほとんどが風邪とのことでアスベリンやモンテルカストを処方されます(副鼻腔炎や気管支喘息の時もあります)。

私も同時期に喉が痛くなり咳が出ることが多く、別の耳鼻科に行くのですがほぼ毎回クラリススロマイシンを処方されます。以前にモンテルカストや吸入を処方されても咳が何週間も止まらないことがあり、その時にクラリスロマイシンを出され、その時はすぐによくなったのですが、毎回クラリスロマイシンを飲んでいて耐性ができたりしないか心配です。

我慢出来ないほどの痛みではなければ何も飲まずに治るものなのでしょうか?実際に細菌感染だった場合にはクラリスロマイシンを飲まないと治らないのでしょうか?

喉が炎症を起こしている、とは言われたものの毎回同じ処方でこれが一般的なのかわからず、先生の見解をお聞かせいただければ幸いです。

回答済み

耳鼻咽喉科

指名質問いただきありがとうございます。お子様の風邪が映ることが多く、毎回クラリスロマイシンの処方を受けることで耐性化しないか懸念されているということですね。結論から申し上げますと、相談者様の懸念は極めて妥当で、毎回クラリスロマイシンの処方を行うことには私もやや疑問を感じます


最近は小児の感染症患者が急増しており、それに伴って家庭内で風邪をうつしあい、軽い風邪症状受診されるような患者さんを多数見かけます。こういった小児の風邪はその殆どがウイルス感染と言われています。医学的にはウイルス感染による上気道炎という診断になり、症状として鼻水、くしゃみ、咳、喉の痛み、発熱などが主症状になります。多くの症状は1週間以内に自然治癒が期待できますし、咳は少し残りやすいですが3週間程度までは上気道炎にともなう咳嗽として、対症療法で経過観察を行います。この自然経過においては抗生剤の処方は必須ではありません。


抗生剤が必要になる場合は、細菌感染が疑われた場合です。上気道炎の場合鑑別が必要になるのは溶連菌、百日咳、マイコプラズマ、その他急性副鼻腔炎、中耳炎、肺炎などが挙げられます。いずれの場合も迅速抗体検査やレントゲンなどで所見を確認し処方を行います。ただし、初期は抗生剤が必要かどうか見分けがつきにくい場合もあるのは事実です。「抗生剤を最初から出しておけば」と後から文句を言われるくらいなら、最初から抗生剤を出しておく、という判断を医師がしてしまうのはこれが理由です。しかし、こういった考えから抗生剤が乱用されると、相談者様が懸念されているように耐性菌が生じてしまい、将来的に患者さん自身の不利益になってしまう可能性があります。


相談者様の経過を考えますと、お子様の上気道炎をもらって上気道炎となり、咳・鼻水と言った症状を繰り返しているということかと思います。この場合にクラリスロマイシンが必須かと問われると、正直そうは思えないという印象です。クラリスロマイシンはマクロライド系抗生剤と言うタイプで、細菌を殺す効果が弱く、有効な細菌が限られています。マイコプラズマという細菌については有効なことがあり、何週間も続いた咳はこれであったのかもしれません。

主治医の先生は「前この抗生剤が効いたから、この薬を欲しがるだろう」というような考えで先回りされて処方されているのかもしれません。次受診されたとき、正直に「毎回抗生剤を飲んでいて耐性菌が出ないか心配です」と相談されてはいかがでしょうか?


まとめますと、お子様からもらった上気道炎に抗生剤は必ずしも必須では無いと考えます。次受診された際に主治医の先生と相談するのが良いかと考えます。

以上、回答させていただきます。この回答がお役に立てば嬉しいです。

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2023年07月20日 08時49分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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