指名:=Dr. NK=子どもの心の相談室 先生

子どもにうつや不安気質が遺伝しないか

10歳未満男性

子どもの心について教えてください。

現在0歳の子どもを育てております。

母である自分は感受性が強く繊細な子どもでした。
また幼少期から完璧主義で心配性・潔癖症です。
不安やうつ症状のため10代から何度か心療内科・精神科の通院歴があります。
(現在はいずれも寛解し通院してません)

また医学用語ではないと思いますがHSPの特徴に他人も同意するほど多数該当してます。

自身は気質のせいで何かと苦労してきたので子どもにはおおらかな性格に育ってほしいと思っています。

質問1
親が不安や抑うつに陥りやすかったりHSP気質だと子どももその特性を遺伝的に受け継ぎますか?
ASD等は遺伝因子があると聞いたことありますが、うつや不安傾向はどうでしょうか?

質問2
子どもが成長するにつれて、自分の性格的に「危ないから◯◯に気をつけて」とか「汚いからそれは触っちゃダメ」とか口うるさくしてしまいそうです。
そのため環境因子で子どもがうつや不安症にならないか心配です。
ただ事故や感染症は怖いのでやはりある程度は色々言ってしまうかと思います。
子どもの安全を守りつつ、神経質な性格に育てないためにはどうすれば良いでしょうか?

私の実母も昔から病的に心配性かつ潔癖症でした。
遺伝か環境かはわかりませんが、自分は実母の影響を受けていると思うので子どものことが気掛かりです。

回答済み

精神科

【うつ・不安気質が母親から子どもに遺伝しないか?】ご指名でのご相談ありがとうございます。


お母さん自身が、幼少期から完璧主義で、心配性・潔癖症だった。

また不安やうつのために10代から心療内科・精神科に通われていた


そして、お母さんの実母(お子さんにとってはおばあちゃんですね)が“病的に心配症・潔癖症“だったとのこと、を教えていただきました。

ありがとうございます。


まず、全体的なことについてお話しした上で、それぞれの質問にお答えできればと思います。


おっしゃるように、親子は遺伝的な理由・親子が一緒に過ごすことによる環境の影響で傾向が似てきます


遺伝的なことからお話しすると、うつや不安障害がある親御さんのお子さんは、遺伝的な要因だけを検討した場合にうつや不安障害を発症する可能性が2倍になる、というデータもあります。


そして環境という意味では、一緒にいるお母さんの影響を子どもは強く受けやすいことも知られています。


やはり良くも悪くも子どもは母親の影響を受けるのです。

実際、不安が強い母親の娘は、母親と同じように不安が強くなるという報告もあります。僕も子どもの心に関わる小児科医として働いていますが、不安が強いお母さんの娘さん、特に長女の方・家庭に父親が不在で母娘が密着する傾向が強い場合に不安の強い傾向が現れることは事実のように思います。


だからこそ、今回の相談内容がよく理解できました。

ではここから回答に移りたいと思います。


質問1

親が不安や抑うつに陥りやすかったりHSP気質だと子どももその特性を遺伝的に受け継ぎますか?

ASD等は遺伝因子があると聞いたことありますが、うつや不安傾向はどうでしょうか?


→不安の強さ、抑うつ傾向の強さは遺伝的な影響、不安・抑うつ傾向をもつ環境としてのお母さんからの影響、その両方であり得ると思います。



質問2

子どもが成長するにつれて、自分の性格的に「危ないから◯◯に気をつけて」とか「汚いからそれは触っちゃダメ」とか口うるさくしてしまいそうです。

そのため環境因子で子どもがうつや不安症にならないか心配です。

ただ事故や感染症は怖いのでやはりある程度は色々言ってしまうかと思います。

子どもの安全を守りつつ、神経質な性格に育てないためにはどうすれば良いでしょうか?

→お母さんが自分の不安に動かされて、お子さんに関わっていることに気がつくこと。自分は危ない行動に見えたけど、子どもは何をしたかったのだろう。。と考えることが重要です。

 これは言うは易し、行うは難しだと思います。


 お父さん(旦那さん)を含めた第三者の力を借りましょう。第三者には子育て支援センターのスタッフ・保育園の先生方が含まれます。


 自分としては子どもの安全を守るために行なっている行動も、第三者から見れば、神経質・過干渉だったりする場合があります。

 第三者から見て、お母さんの行動が神経質・過干渉だと感じた場合に、そのことを伝えてもらうことが必要です。


 もちろん、お母さんとしては子どもの安全を守るために行なっているのに、横から「神経質・過干渉」と言われれば、いい気分はしないと思いますし、イライラして大喧嘩になる可能性さえあると思います。


一度イライラしても良いです。ただ、なんとか、「そうか自分としては安全のために声をかけたけど、他の人から見れば『心配しすぎなんだな』と振り返ることが重要です。」


言い換えると、

・自分の思い通りにする状態を手放す

・自分が100%安心できる状態を手放す

・不安な状態をそのままにする

と言うことが必要になります。



理想論かもしれませんが、少しでも応援できればと思い、回答を考えさせていただきました。


少しでも参考になればと思います。

回答が役に立ちましたら、👏、❤️お願いいたします。


もし個別の相談をしてみたい、とお思いでしたら、

以下のURLからルームを覗いてみてください。

https://twicure.com/rooms/12


ではでは。

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2023年08月07日 12時05分


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【公認心理師】の資格も保有してます.

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