指名:高橋怜奈/産婦人科医YouTuber 先生

妊娠初期のアルコールについて

30代女性

はじめまして。
いつもTwitterで勉強させていただいております。ためになる情報をありがとうございます!

この度妊娠いたしまして、安定期を迎えました。
ただ、時期はうろ覚えなのですが、妊娠超初期〜妊娠が確定した8週頃?にパン屋さんでラムレーズンとクリームチーズのペーストが挟んであるコッペパンを2度食べたことを今更ながら思い出し、不安になっています。

アルコールは普段飲まないので気がゆるんでおり、ラムレーズンにもお酒が入っていることを失念していました。
特に初期はアルコールの影響が強いそうなので、心配です。

ラムレーズンの量は多くても20粒?ほど、お店で該当パンを飲食後運転不可等の注意もなかったのですが、どうなのでしょうか?

お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

回答済み

産婦人科

ご質問ありがとうございます。

そしてご懐妊誠におめでとうございます。


妊娠が発覚する前にラムレーズンを食べてしまい、胎児へのアルコールの影響が心配とのご相談ですね。


妊娠中は、食べ物や生活など、気をつけていても、あの時のあれは大丈夫だったのか?とかあとで不安になりますよね。


たしかに妊娠中の過度なアルコールの摂取で赤ちゃんの早産リスクが高まったり、脳の障害のリスクが高まったりしてしまいます。


胎児性アルコール症候群は、飲酒量に比例してリスクも増え、大量飲酒者である女性アルコール依存症者の子どもに対する調査では、妊娠中飲酒したケースの30%と報告されています。しかし、ここまでなら大丈夫という飲酒量はわかっていません。短期間であっても大量飲酒はリスクが高く、また妊娠初期がよりリスクが高くなりますが、妊娠全期間を通して何らかの影響が出る可能性があります。

中枢神経障害が主体である児の80%の母親は70~80ml 以上を週に数回程度飲んでいたのきう報告があり、中枢神経障害に関しては、飲酒回数との関連が示唆されています。

ちなみにビール350ml1本、ワイングラス1杯がアルコール量15mlです。



早期に禁酒した場合は、それなりの効果が期待でき、妊娠初期に大量飲酒したけれども、その後禁酒することにより中枢神経障害をおこさなかった例が報告されています。


このように、たしかに妊娠期間中、アルコールはなるべく摂取しない方がいいのですが、少なくともご質問者様が摂取されたのは2回のみですし、アルコール量としても少ないので、赤ちゃんに影響があるとは考えにくいです。


これから摂取しないように気をつければ十分でしょう。


ご心配になる事も多いと思いますが、元気な赤ちゃんの成長を願って、穏やかな気持ちで過ごせるもいいなと思います。


少しでもご参考になれば幸いです。

また何かありましたらいつでもご相談くださいね。

そして、元気なお子様にお会いできることを心よりお祈りしております。

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2023年09月03日 22時44分


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