指名:どっと@小児科医 先生

インフルエンザの予防接種の回数について

10歳未満女性

7歳と4歳の娘のインフルエンザの予防接種を受けようと考えています。
通っていた小児科が9月末で閉院し、他の小児科は遠くて連れて行くのが難しく、よく行く耳鼻科で接種希望という流れです。

その先生はインフルエンザの予防接種に関しては、3歳以上は大人と同量、かつ1回限りの接種という方針だそうで、2回受けたければ他院へということでした。
娘たちは1歳から毎年2回接種でインフルエンザの予防接種を受けさせています。今までに罹患したと診断されたことはありません。

今年も2回接種にしておくほうがいいものでしょうか。

ご指名でのご相談をいただき、誠にありがとうございます。

やや回答が遅くなってしまい、申し訳ありません。

「4歳と7歳の子のインフルエンザワクチンを、今までは毎年2回接種していたが、通っていた小児科が閉院してしまい、耳鼻科での接種を検討しているが、3歳以上は1回接種という方針で悩んでいる。今までに罹患したことはないが、今年も2回接種しておいた方が良いか?」というご相談ですね。


かかりつけの小児科さんが閉院されてしまったということで、お悩みかと思います。


インフルエンザワクチンは国内では

・生後6か月から12歳まで:毎年シーズンに2回接種

・13歳以上:毎年シーズンに1回接種

が推奨されています。


しかし、WHOや米国では

・生後6か月から8歳まで:初めての接種は2回接種、2シーズン目以降は毎年シーズンに1回接種

・9歳以上:今までの接種に関わらず、毎年シーズンに1回接種

が推奨されています。


これは、どちらが優れているなどと比較することは難しいのですが、どちらを意識しても良いだろうというのが最近の流れになりつつある印象です。そのため、医療機関によって2回接種を標準としているところもあれば、小児でも初めてのシーズン以外は1回接種としているところもあります。

2回接種した方が抗体価は上がりやすいため、効果は少し高まる可能性はありますが、費用対効果という要素も含めて、全員に2回接種を標準とするほどの効果ではないというのが海外の認識なのかなと感じてはいます。

1回の接種で許容した場合には、お子さんの負担が軽減される、ワクチンの在庫に余裕ができる、金銭的な負担も軽減されるなどのメリットもあります。


上記のため、個人的には今までに2回接種したシーズンがある場合には、少なくとも1回接種していただけていれば、問題はないものと考えています。ただ、受験や家族内に免疫の弱い方がいるなど、少しでもリスクを軽減したい場合には2回接種を行うことも十分検討されると思います。


耳鼻科さんで1回目の接種を行い、2回目を希望される場合には少し遠方になるかもしれませんが、他の医療機関で2回目だけ対応してもらえるか相談することも一つの手段かなと思います。


私の考えとしては上記となります。

ご参考になりましたら幸いです。


参考:

・日本小児科学会 「知っておきたいわくちん情報」インフルエンザワクチン

https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_22Influenza.pdf

日本ワクチン学会 2022-23 シーズンの季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解

https://www.jsvac.jp/pdfs/JSVAC_2022-23flu.pdf

祖父母と同居しているので2回接種にしようかと思います。他院で2回目を考えるならメーカー等も揃えたほうが良いので最初から他で受けて下さいと耳鼻科で案内されたので、1番近くの医院で打つことにしました。ありがとうございました。

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2023年10月14日 11時27分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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