指名:=Dr. NK=子どもの心の相談室 先生

手術うけたくない

10代女性

泌尿器科の病気で手術をする事になりました。人工膀胱になるそうです。人工膀胱になるのが嫌で辛いです。人工膀胱になるくらいなら生きたくないです。救急医師の父親に手術受けないと言ったら怒られ、泣かれました。命さえあればいい、生きていてほしい。と言われました。人工膀胱になったら父親に迷惑かけるし、辛いです。私は生きる資格あるのでしょうか?もしも先生の家族が人工膀胱になってしまっても生きていてほしいですか?失礼な質問になっていたら申し訳ありません。とにかく辛いです。

回答済み

小児科,精神科

【10代で人工膀胱になる自分は、生きている資格があるのか・家族は自分に生きていて欲しいか?】

このような大切な質問の回答者に、僕を選んでくれてありがとうございます。

丁寧に、そして心を込めてお答えしたいと思います。


まず、何よりよく質問してくださいました。

質問する時には、不安も悩みもあって、質問すること自体にたくさんの勇気が必要だったのではないかと思います。

失礼なんかじゃありません、今回のような大切で苦しい質問にこそ、僕は応えたいと思っているのです。


ではここから、具体的な内容についてお答えしたいと思います。

まず、<家族は人工膀胱になった自分に生きていて欲しいのか>についてです。

『生きていて欲しいです』


お父さんが救急医であることはおそらく、あまり関係ないように思います。

医師だからではなく、父親として、なんの迷いもなくそう思うのです。

親であればこそ、我が子には『生きていてほしい』、そう強く思います


人工膀胱になったとしても、一緒に話せます・一緒に過ごせます。

そのことは何一つ変わらないのです。

そのことを忘れないでほしい、そうお伝えしたいです。


お父さんが怒った理由は、お父さん自身も苦しいからなのだと思います。

我が子が病気になってしまったこと、病気から子どもを守れなかったこと、目の前で我が子が苦しんでいること、そのことで、ご自分を責めていらっしゃるのかもしれません。

医師として病気の知識があるからこそ、尚更、その気持ちは高まるように思います。僕も医師なので、自分の子どもが相談者さんと同じ状況だったら、とても苦しいです。

だからこそ、お父さんの気持ちが溢れ出て、怒ってしまうし、涙が溢れてしまう

相談者さんから見れば、自分がお父さんを苦しめているように感じてしまうかもしれません。実際にはお父さんを苦しめているのは、相談者さんの”病気”です。

「自分がお父さんを苦しめている」、そう誤解しないでほしい、お父さんのためにもそうお伝えしたいです。


次に<生きている資格はあるのか?>について

人工膀胱になることで、毎日が大変になるかもしれない、これは事実だと思います。

『きっと大丈夫ですよ』、そんな気休めを言うつもりはありません。

人工膀胱になったら、自分の人生はどうなってしまうんだろう?人の助けが必要で、人に迷惑をかけるばかりなんじゃないか?、私は神様に見捨てられたんじゃないか?

そんな不安•将来を見通せない苦しさが、相談者さんの心の中に『私は生きている意味がないんじゃないか』という気持ちを生み出しているのではないかと想像します。

確かに不自由になることはあると思います。

でも、変わらないこと•制限されないこともあるはずです。

そのことを見失わないで欲しいし、お伝えしたいです。

生きる資格は何一つ侵害されていません。

そのことは断言したいと思います。


最後に、

これは完全に僕の想像ですが、

相談者さんは、僕に背中を押して欲しかったのではないでしょうか?

『この人なら分かってくれるんじゃないか?』、『相談したら自分の苦しさを解決できるのではないか?』

『生きていく勇気、手術を受ける勇気をもらえるんじゃないか?』

そんな気がするんです。


理想論を振りかざすつもりはありません。

生きていくことは大変だし、病気を抱えて生きていくことは、さらに大変だと思います。

病気を抱える人を平気で傷つける人がいるのも事実です。


でもね、全員がそうじゃないんです。


僕のように、あなたの質問に心を動かされ、心から応えたい、そう感じる人も、確かにいるんです。

あなたのお父さんもそうです。

あなたを応援しているし、僕はあなたのお父さんを応援します。


またいつでも、相談してください、

今回、勇気を出して相談してくださったこと、回答内容、僕が忘れることはありません。


今回の回答が、あなたとあなたのことを想うご家族の苦しみを和らげ、勇気を与え、これからの人生を応援することに繋がったら、とても嬉しいです。

心から応援しています🍀

Dr.NK

このように温かい回答をいただけて、相談者の方はどんなに心強かったことでしょう。幸せな人生を送られることを心から願います。
娘(成人)が精神疾患で病んでいるのですが、先生のような温かいドクターと出会えたら救われるのかも…と思います。自分のことでごめんなさい。

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2023年11月11日 07時45分


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【公認心理師】の資格も保有してます.

3次救急を行っている当直医としても働いています.
お産の立ち会いにおける新生児の蘇生, けいれん, 呼吸器感染症, 喘息, 胃腸炎の対応なども行っています.

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