寝かしつけ時の子どもの行動
10歳未満男性
もうすぐ2歳になる子どもの寝かしつけが苦痛です。
ここで相談する内容でなければ申し訳ありません。
寝かしつけは主に父親がやっているのですが、たまに私が行う時に息子が暴力的な行動を私(母親)だけに行ってきます。
最初は甘えてるだけだと思っていましたが、日に日に行動がエスカレートしていき、昨日は髪を食いちぎろうとしてきました。「お母さんイタイイタイからやめて」って言っても全く通じず楽しんでしまっている状況です。
息子に悪気がないのは分かります。どう息子に接したらいいのか分からないのです。
顔を蹴られ何度か口腔内も出血しました。
最終的には、ただ布団に篭り布団の上から息子が乗ったり、蹴ったりして息子が力尽きて寝るのを耐えているといった様子です。これは寝かしつけというのだろうかと疲弊しています。
話がズレますが、2人目を妊娠中です。(が心拍が見えず流産宣告を受けています)それでもお腹を守ろうと思い息子に強い口調でやめて!って感情的になってしまいます。
いつか手を出すのではないかと不安です。
回答済み
【寝かしつけで、お母さんに暴力的になってしまう、もうすぐ2歳の男の子】
ご指名での相談、ありがとうございます。
もちろん、こちらでご相談ける内容ですし、
僕が答えるべき質問だと感じました。
もうすぐ2歳という年齢, そして“お腹の中にいる赤ちゃんの心拍が見えていない“という母さんの体験, この2つの視点でお答えできればと思います。
乳幼児精神医学/精神分析という概念に基き、回答させていただきます。
2歳という年齢はイヤイヤ期(再接近期)として知られる年齢です。
何が嫌なのか、というと
・なんでも1人でやりたいから、お母さんに手伝われるのもイヤだし、
・でも1人でやるのは寂しいから、お母さんが離れるのもイヤ、
な訳です。
すなわち、どう関わられるのもイヤですし、
自分でもどうしたらいいか分からないし、
お母さんを困らせてしまう自分もイヤなのだと思います。
お子さん自身も自分の気持ちをコントロールできなくなっているので、
厳しくするだけでも子どもと衝突したり泣かせてしまうことになりますし、甘くするだけでも子どもの感情の起伏が大きくなり、親子ともに困ることになります。
お父さんが入ってくれるのは本当に良かったです。
今はお父さんの力をお母さんも、そしてお子さんも必要としていると思います。
そして、もう一点、お腹の中の赤ちゃんの心拍が見えていないということについて。
誰にも言いたくない、誰にも触れてほしくないことだったと思います。
この先生なら、答えてくれるかもしれない。
そう思ってくださったことに、何よりも感謝いたします。
相談してくださった勇気を感じますし、
そして同時に、誰か助けてほしい、という危機的な状況であることも感じます。
妊娠することで、つわりが出てきて今まで通りにお子さんと遊ぶことができなくなったり、お母さんがお腹の中の赤ちゃんを意識することでお子さんへの関わり方が変わります。
つまり、物理的にも心理的にも、母親と子どもの関係が変わるのです。
子どもはその親子関係の変化を感じとります。
イヤイヤ期によって、ただでさえ、不安定な時期に、
さらなる変化が加わったので、より難しくなっていると思います。
お子さんのお母さんへの暴力は
・お子さん自身が自分のイライラを発散
・お母さんとの関係が変わらないことを確かめるための“ちょっかい“
・そして、お母さんとの関係が変わってしまったことを感じての悲しみの表現
なのだと思います。
そして、今回、お腹の中の赤ちゃんの心拍が確認できていない、と伺いました。
お母さんの心の中に、喪失の危機に対する強い恐怖と深い悲しみ、そして激しい怒りが出てきているのではないかと思います。
子どもは、特にまだうまく喋ることができない乳幼児は、この雰囲気の変化・親の感情の変化を鋭く読み取ります。
そして、その恐怖・悲しみ・怒りに耐えられず、自らその雰囲気を破壊するために、暴力的な行動をお母さんとの間でだけ行っている可能性さえあると思います。
すなわち、お子さんの暴力がもつ、もう一つの、そして最も重要な意味は
・『誰か助けて』というSOS
です。
違う言い方を使えば、
・子どもが自らの行動で、お母さんの危機を小児科医に伝え、助けを求めている、という表現にさえ、なり得るわけです。
嬉しいはずの妊娠が、とても苦しいものになっているのだと思います。
私でさえ、質問の最後の段落を見て、涙が出そうになりました。
今は、どうか心と体を休めてください。
お父さんに守ってもらって欲しいです。
必ず時間が、痛みを和らげます。
心の痛みも、体の痛みもです。
お父さんも苦しいはずです。
でも、それでも、今はお父さんに守ってもらいましょう。
お母さんが夜、暗い部屋でお子さんと2人でいると、悲しみや怒りが湧いてしまうと思います。
3月になり、少し暖かい日も増えてくるはずです。
お子さんとお父さんで、外で思いっきり遊ぶこともとても大切なことです。
時間の経過の中で、お子さんも成長し、落ち着いてくると思います。
この回答が少しでも支えになり、
お母さんと、お子さんと、お父さんと、ご家族皆さんの癒しになってほしい、そんな想いと願いを込めて回答させていただきました。
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想いを受け取ってくださったことに感謝致します.
深い悲しみや激しい怒りの波が襲ってくることもあると思います。
その時に、この回答を思い出してくださることで、お母さんと息子さんがお互いに守られることに繋がったら、抱きしめ合うことに繋がったら、そう思っています。
❤️もありがとうございました🍀
何度も繰り返し読ませてもらいました。温かいお言葉ありがとうございます。読んでいて涙が出そうになりました。悪阻があり私自身も不安定になっていたのだと思います。先生の言葉を噛み締めながら、息子との関わりを大切にしていきたいです。
2024年03月02日 17時33分
編集済み
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