低音難聴 ステロイド使用について

40代女性

こんにちは。
以前低音難聴の治療方針について相談にのっていただき、その節はありがとうございました。

いったん通常聴力に戻り、ステロイドをやめて10日ほどたちましたが、今日はかなり悪く週明けに再度受診を考えています。イソバイド、メチコバール、アデホスは継続中です。

症状が変動するのはもう片方の耳で経験していますが、いま主治医が変わって、ステロイドの方針がこちらのリクエスト次第みたいなところがあります。実際、朝1錠だけ、という期間がなかったので4日ほど延長していただきました。
前の先生は、できる限り出さない方針でした。

そこで質問です。
いまステロイドをやめて約10日ほどですが、もう一度処方をリクエストするか迷っております。
ただ低音難聴治療にはステロイドのエビデンスがないという話も聞く一方、ステロイドに依存しすぎもリスクがあると。
主治医はこちらの意向をくんでくださると思うのですが、どうしたものかと。あくまで体感ですが、ステロイドがきいた感じはあります。

多分、感覚的に前回と近い聴力低下かと思います。いちばん悪いところで50dbくらい。

どうぞよろしくお願いいたします。

回答済み

耳鼻咽喉科

ご質問ありがとうございます。一度聴力が良くなった、つまり治療にしっかり反応するのは良かったですが、また調子が悪くなってしまったのですね。返信が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。もう受診されたかと思うのですが、聴力はいかがでしたでしょうか? 繰り返す難聴に対してステロイドを飲むべきかどうか悩んでいらっしゃることと思います。繰り返し低音障害型感音難聴を起こす患者さんに対してステロイドを毎回投与するかどうかは、耳鼻咽喉科専門医で聴覚が専門の私にとっても非常に悩ましいです。医師によって意見が異なってきますので、毎回患者さんと話し合って決める事になります。 まず、低音障害型難聴に対するステロイドの有効性は必ずしも確立されていません。確実に効くとはいえないのが難しいところです。ただ、患者さんによってはステロイドが有効なことがあるのも事実ではあります。前回の難聴発作時にステロイドが効いた印象がある、ということですので、今回も使用したいと感じられるのは自然な流れだと思います。 一点注意が必要なのは、医師がステロイドの投与をためらうのはその副作用であって、依存性ではありません。ステロイドの長期投与によって糖尿病、白内障、骨粗鬆症などを発症するリスクがあります。ただ、病気によっては長期内服することもありますし、きちんと対策すれば内服は可能です。きちんと理解し、必要以上に恐れないようにしてください。 投薬による治療はもちろん重要ですが、生活環境を整えていただく方が重要です。ストレス・疲労の蓄積・睡眠不足で難聴発作を誘発すると難聴が進行する原因になります。これらの誘発因子をなるべく避けていただくよう気をつけて下さい。また、軽い運動習慣を持っていただいた方が良いといわれています。 主治医ともよく相談して決めていただきたいですが、最後に選択するのは相談者様ご本人ですから、自分の意思で決めていただきたいです。 また質問があるようであればいつでもおっしゃって下さい。 この回答がお役に立てば光栄です。

ご丁寧なお返事ありがとうございました。ステロイド治療についてのベーシックな考え方がクリアになりました。結果的に今回は使わずに聴力が戻りましたので、今後もまずは数日様子を見るという方針にはなりそうです。急な暑さで体に負担があったのかもしれません。またご相談させてください!

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2022年06月29日 12時33分


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耳鼻咽喉科専門医•指導医の音良林太郎@耳鼻咽喉科です。みみ、はな、のどの病気や、首の腫瘍など、気になることはなんでもご相談下さい。専門は耳科、聴覚ですが、めまい、鼻、頭頸部腫瘍、甲状腺なども扱います。
なるべく丁寧に、かつ医学的な根拠とともに解説することをモットーとしています。どうぞお気軽にご相談ください!

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