指名:相川晴(HAL) 先生

人食いバクテリアの対策

30代女性

現在妊娠23週の都内に住む妊婦です。最近人食いバクテリアが流行っていて、とても心配しています。特に妊婦は1日以内に死亡するということで、尚更心配です。
対策としては、手洗いうがい以外に何が出来るでしょうか。毎回外出から帰ってきたら、シャワーを浴びるべきでしょうか。

回答済み

ご質問ありがとうございます。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症、通称人食いバクテリアの対策についてのご相談ですね。


ニュースでも取り上げられることが多くなってきて、ご不安かと思います。2024年に入ってから症例がかなり増えているのですが、毎週30人前後の症例が報告されています。若干減っていると評価されているようですが、まだちょっと様子を見る必要がありそうです。中でもM1UK株(病原性&感染力が強い)というのが千葉県や埼玉県で若干多く報告されているので、少し注意した方がよさそうです。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/group-a-streptococcus-m/2656-cepr/12594-stss-2023-2024.html



感染経路としては、咳などで飛んで喉などの粘膜から感染する飛沫感染と、傷口から感染する接触感染が主なものですが、半数程度は不明とされています。

とはいえ、不明な部分への対策はできませんので、まずはわかっている感染経路の対策として、手洗い、マスク、うがい、傷ができた時はよく洗って清潔に保つことが予防の第一歩かと思います。アルコール消毒も有効という報告がありますので、上手に使ってください。外出後のシャワーは、理屈としては効果はあると思いますが、どの程度かははっきり言えません。負担が大きいようであれば無理をなさらないように……(あちこちに触るのは通常「手」で、一番汚れやすい部分になるので、まずはしっかり手を洗うのが対策としては大きいと思います)

あとは、四肢の腫れ・痛み、急な発熱といった疑わしい症状が出た場合は、早期発見と早期治療が重要な疾患となりますので、お早めに受診して相談されてください。


以上になります。

ただ、注意が必要で症例が増えているとは言いましても、人数としてはそこまで多くありません。油断していいという意味ではもちろんありませんが、1週間で県内に1人いるかどうかくらいの数、と思うと、かなり数が少なく思われるのではないでしょうか。また、2024年の患者さんの年齢分布を見ますと、60歳以上が67.9%と高齢の方に多い傾向があります。

どうかあまり心配しすぎず、お体と心も大切にしてお過ごしくださいね。

少しでも参考になれば幸いです。

参考

https://www.niid.go.jp/niid/ja/group-a-streptococcus-m/2656-cepr/12594-stss-2023-2024.html

https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/s-group-a/

https://www.yoshida-pharm.co.jp/infection-control/letter/letter127.html

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q2-1

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/202402/583391.html#:~:text=70%E6%AD%B3%E4%BB%A3%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%A4%9A,%E3%81%A8%E6%B1%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E5%B0%91%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84%E3%80%82

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2024年04月02日 23時10分


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