指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

子どものゴマとピーナッツの摂取について

10歳未満男性

現在0歳10ヶ月 です。
(内容に不足があり一度削除し再投稿します)

10日後に保育園に入りますが、保育園に通い出すとアレルギーチェックが難しいと思い、6ヶ月でゴマを、本日ピーナッツ(無添加ペースト)を与えました。

ゴマはベビーフードにもたまに含まれるため早めに開始しました。
落花生は早すぎるかもしれないですが、家族が時々ピーナッツバターを食べるので、外部からの感作が心配なこともあり始めました。

アレルギー体質ではありません。

ゴマは1gほどのすりごまを週2回与えてます。
落花生は0.5gで何ともなかったので、今後徐々に量を増やし5gほど食べられれば、それを週2回ほど与えたいと思ってます。

ご質問です。

・アレルギー体質でもないのに与える月齢が早すぎたでしょうか?

・アレルギーを防止するために食べ続ける量と頻度は上記で十分でしょうか?(エビデンスなどありますか?)

・ゴマや落花生を頻繁に食べることで脂質の過剰摂取にはならないでしょうか?

・日本人は落花生を頻繁には食べませんが、子どもは何歳くらいまで落花生を意識して定期的に食べる生活を続けたら良いのでしょうか?
(大人は洋菓子にナッツが少量含まれることはありますが、そのものを食べるのは我が家では小容量のピーナッツバターをたまに購入するくらいです)

素人の考えですが、早期から中途半端に与えたことで、逆にアレルギー発症リスクを高めないか少し心配です。

間隔が開くと良くないと聞いたので何週間も開けないようには気を付けたいです。

よろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

赤ちゃんのゴマとピーナッツの摂取について、ご指名でのご相談ありがとうございます。生後10か月のお子さん、「生後6ヶ月でゴマを、本日ピーナッツ(無添加ペースト)を与えた(ゴマはベビーフードにもたまに含まれるため、ピーナッツは家族が時々ピーナッツバターを食べるので外部からの感作が心配なこともあり始めた)、アレルギー体質ではない、ゴマは1gほどのすりごまを週2回摂取、ピーナッツは0.5gで何ともなかったので今後徐々に量を増やし5gほどを週2回摂取する予定、幾つかの質問がある」とのことでした。

アレルギーについて、いろいろ考えられておられて素敵だと思います。しかも書かれている内容からはかなり勉強されている印象を持ちました。下記の質問につき、僕なりの考えを書いていこうと思います。

①アレルギー体質でもないのに与える月齢が早過ぎたか?

→早期に摂取するとはいえ、あくまで食事ですので、適切な離乳食の開始時期からで(離乳食自体の開始として早過ぎず)、赤ちゃんが食べてはいけない食材や調理方法でなければ(例えば粒のままのピーナッツ、生もの、ハチミツなどはダメ)、早過ぎると考えられなくて良いかと思います。ピーナッツアレルギーについての有名な報告において、イスラエルでは「バンバ」というピーナッツ粉末の付いたお菓子を赤ちゃんの時から食べており(1歳時点で80%の赤ちゃんが食べているとされている)、同じユダヤ民族であるイギリスではあまり赤ちゃんがピーナッツを食べる習慣がありませんが、よく食べるイスラエルの方がイギリスより10倍近くピーナッツアレルギーの発症が少ない(0.17%と1.85%)ので、ピーナッツを早く食べるデメリットは無いかと思われます。お子さんの場合アレルギー体質があまり無いようですので、早期から頑張って食べられる必要性があるかどうかはまた別の話ですが、食べるのが早過ぎるということは考えなくて良いかと思います。


②アレルギーを防止するために食べ続ける量と頻度は上記で十分か?

→なかなか難しいご質問ですが、「ピーナッツアレルギーのリスクが高い子どもにおいてピーナッツの早期からの摂取開始によりピーナッツアレルギーの発症が優位に低下したこと」を報告した、いわゆる「LEAPスタディー」(日本語アブストラクト:https://www.nejm.jp/abstract/vol372.p803)では、「週6g以上のピーナッツタンパクで、週3回以上」という研究デザインでした。それが週2回なら効果が落ちるのかどうかは現在のところ解っておりませんので、ご心配であれば「週3回、週6g以上」で維持されると良いかと思います。個人的には、もう少し少ない「週1回5g」でも「週2回5g(2.5g×2回)」程度でも効果があるのではないかと考えますが、あくまでただの僕の感想になります。


③ゴマやピーナッツを頻繁に食べることで脂質の過剰摂取にはならないか?

→1回に食べる量も頻度も多くありませんので気にする必要はなかろうかと思います(もちろん他の食事内容にもよりますが、成人では1日30粒程度と書かれていることが多いです)


④日本人はピーナッツを頻繁には食べませんが、子どもは何歳くらいまでピーナッツを意識して定期的に食べる生活を続けたら良いのか?

→先に提示した「LEAPスタディー」は、5歳までピーナッツを食べ続けて5歳時点でのピーナッツアレルギーの発症についての検討です。実は「LEAPスタディー」の後「LEAP-Onスタディー」(日本語アブストラクト:https://www.nejm.jp/abstract/vol374.p1435)なるものがされてますが、「5歳以降に12ヶ月間ピーナッツ除去」をしてもピーナッツアレルギーの有病率は上がらないという報告になっております。大雑把に言うと、5歳過ぎてから高頻度にピーナッツを食べなくてもピーナッツアレルギーを発症せずに維持出来そうということになろうかと思いますので、時々食べられる感じで良さそうかと思います。ご心配でしたら、可能であれば1-2週間に1回程度は食べておかれると良いかと思います。これまたあくまで僕の考えとなります。


⑤早期から中途半端にピーナッツを与えたことで逆にアレルギー発症リスクを高めないか心配

→先に提示した「LEAPスタディー」では、途中で研究から降りられたお子さんがとても少なく、途中で中止した場合やより少ない頻度で食べる場合にどうなるのかははっきりとはわかりません。ただ、そもそもピーナッツ自体、日本のお子さんが高頻度で食べる食材ではありませんし、周囲のアレルゲンの量やお子さんの肌の状態は関係あるのかも知れませんが、ピーナッツを少し食べたがために逆にピーナッツアレルギーになりやすくなるという可能性は低いかと思います。ご心配でしたらなんとか継続して食べられると良いかと思います。

全体的には解りにくい回答だったかも知れません。「エビデンス」できっちりお答えすることは出来ませんでしたが、それなりに客観性のある内容ではあろうかと思います。ただ、各質問の最終的なお答えは個人的な考えにならざるを得ませんでしたので、その点はご了承ください。僕からの回答は以上になります。

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2024年04月05日 18時05分


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