抗生剤について教えてください
10歳未満男性
※誤字があったので再質問します
1歳の子は今年保育園に入園してからよく風邪をひき小児科を受診します。
これまで抗生剤を処方されたことが2回程あるのですが、抗生剤はどんな時に処方されるのでしょうか?
また抗生剤については様々な投稿や記事をネット上で見掛けます。
例えば、むやみに抗生剤を処方するのは良くないとか、処方された抗生剤を飲みきらないと耐性菌が発生するリスクがあるなどです。
また現在耐性菌による感染症が問題になってると聞きますが、このあたりも気になっております。
漠然とした質問ですが、よろしくお願いいたします。
回答済み
抗菌薬(抗生剤)について、ご指名でのご相談ありがとうございます。1歳のお子さん、「保育園に入園後よく風邪をひく、これまで抗菌薬を2回処方されたことがある、抗菌薬はどんな場合に処方されるのか?ネットでむやみに抗菌薬を処方するのは良くない、処方された抗菌薬は飲み切らないと耐性菌が発生するリスクがある、などとあるがどうなのか?」というご質問でした。
ご存じかと思いますが、抗菌薬は細菌感染症の治療に使用される薬剤で、基本的に風邪=ウイルス感染症には効果がありません。細菌感染症の疑いが強く抗菌薬が必要ではあるが、入院なり点滴での抗菌薬までは必要ではない場合「内服」での抗菌薬が処方されることになります。入院になることが多い疾患については、具体的には、肺炎や幼児の腎盂腎炎、菌血症(血液中に細菌が入り込み全身感染症を起こす)や髄膜炎は基本的に入院になりますし、高度な蜂窩織炎(皮膚や皮下組織に細菌が入り込み腫れる)や高度な扁桃炎も入院や点滴での抗菌薬となることが多いかと思います。
風邪っぽくて受診した際に「内服」の抗菌薬が処方されるとすれば、溶連菌性咽頭炎、細菌性の中耳炎や副鼻腔炎、マイコプラズマ感染症などかと思われます。溶連菌性咽頭炎であれば診察で喉の赤みが強く迅速検査で陽性が出て診断されることが多いです。細菌性の中耳炎であれば耳の痛みが強い・耳漏がある・診察上鼓膜の発赤や膨隆が高度などで抗菌薬となることが多いです(通常のウイルス性中耳炎であれば抗菌薬は不要)。副鼻腔炎(蓄膿)に関しても、2-3週間以上どろどろの鼻水が持続するような場合に抗菌薬が処方されることがあります。マイコプラズマ感染症は咳風邪と区別が難しく潜伏期間が2-3週間と長いため周囲での流行を把握することが難しいこともあり、かつ乳幼児ではそれほど頻度は多くはありませんので、家族内に診断された方や疑いが強い方がいらっしゃるようでなければ、乳幼児に積極的に疑って抗菌薬を処方する場面はあまり多くないかと思います。つまり、風邪として受診された際に実際に抗菌薬を使用する場面は殆ど無いということになります。
長々書いてきましたが、問題は抗菌薬を処方する理由=診断がどうなのかが重要で、かかりつけの先生にその都度診断や抗菌薬の必要性をお尋ね頂くしかないかと思われます。ご指摘のように抗菌薬が必要な状況で中途半端に中止すると、抗菌薬が効き難くなる耐性菌が出てしまう問題がありますので、指示された通り内服する必要があります。
僕からの回答は以上となります。かかりつけの先生によくお聞きになると良いかと思います。
2024年10月01日 12時46分
編集済み
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