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膵臓がんの化学療法について

70代女性

お世話になっております。

先日、70代の母の膵臓がん治療について質問した者です。その後、細胞を取って検査し、膵臓がんステージⅣと診断されました。

そこまで深刻だと思っていませんでしたが、手術は出来ない状態で、週1回化学療法を受ける事になりました。3週点滴、1週休薬のサイクルです。やっと治療が始まってホッとしていたら、2回目の点滴前の血液検査で血小板が減少しており、その週は中止となってしまいました。早く治療をして欲しいのに、もどかしい気持ちでいます。

予期せぬ中止で、その前に受けた点滴の効果がリセットされてしまったり、逆にがんが大きくなったり、デメリットはないのでしょうか?医療の知識がない者としては、どんどん投薬した方が効果があるような気がするのですが…。

よろしくお願いします。

初めまして。 お母様がその様な状況になられてお辛いですよね。治療を少しでも早く、多くという気持ちわかります。 ではなぜ中止となったかについて答えさせていただきます。 化学療法の仕組みはざっくり言うと癌細胞の増殖サイクルを止めて増殖を抑えたり、破壊したりする、なのですがこのために使用する薬は劇薬、毒薬に指定されるほど副作用も強く危険な薬が多いです。 今回3週1クールとのことですので、ゲムシタビンかゲムシタビン・ナブパクリタキセル併用療法されていると思うのですが、ゲムシタビンは劇薬、ナブパクリタキセルは毒薬指定されております。 副作用は様々ですが、重篤な副作用の1つに骨髄抑制があります。 これは骨髄で作られる白血球や赤血球、血小板が作られなくなる状態で、白血球が作れないと、感染症から身を守ることが出来ません。赤血球だと貧血に、血小板だと血を止める事が出来なくなってしまいます。 いずれも程度が重いと死につながります(実際これまで亡くなられたかたも多くいらっしゃいます) そこで、毎回化学療法前に血液検査を行い、化学療法に耐え得る状態なのかどうかを確認しています。 今回のケースだと一旦中止して、骨髄機能の回復を待った上で次回は減量、もしくは薬剤を変えて行う事を検討されると思います 。 効果が有るかどうかは人それぞれで一回でもある程度抑えられる事もあれば、何回行っても効果に乏しい事もあります。血液検査や画像検査で1~2ヶ月毎に効果判定して、今後の方針を立てていく事が多いです。 質問者さん、ご家族が納得できて笑顔で過ごせる日々がくる事を願っております。

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2022年08月30日 08時44分


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はじめまして。
大学での勤務を経て現在開業医として働いているsusieと申します。
・消化器病専門医
・消化器内視鏡専門医
としての視点と
開業医で培っている一般内科医としての視点でご質問にお答えしていきたいです。
よろしくお願いします。

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