相談詳細
指名:こどアレ@小児科医|アレルギー専門医 先生
1歳0か月小麦アレルギーについて
10歳未満男性
回答済み
ご指名でのご相談ありがとうございます。 1歳の小麦アレルギーのお子さん、「生後7か月時にうどん5gで口周りの蕁麻疹、かかりつけ医を受診し3か月間完全除去の指示、3か月後にうどん5g食べ蕁麻疹1つ出て3ヶ月間完全除去の指示、3か月後にうどん1gは無症状、2gで蕁麻疹が出てまた3ヶ月間完全除去との指示、このまま完全除去で良いのか?1gでも食べておいた方が良いのか?」というご質問でした。 回答が少し長くなり、またわかりにくくなるかも知れません。お子さんは「うどん2gで蕁麻疹」が出たようですので、食物経口負荷試験の判定に準じて判断することにすると、「⾷物経⼝負荷試験の⼿引き2020」に書かれている「食物経口負荷試験に基づいた栄養食事指導」の図を見て頂くとわかると思いますが、総負荷量が「少量」の食物経口負荷試験で「陽性の場合は完全除去」の方針となっております(https://www.foodallergy.jp/manual-ofc2020/ofc2020-4/#5)。ちなみに、小麦の食物経口負荷試験における「少量」とは「うどん1-3g」となっておりますので、うどん2gで蕁麻疹が出たために完全除去にするということは食物アレルギーの管理としては一般的かと思われます(参考:https://www.foodallergy.jp/manual-ofc2020/ofc2020-2/#5) ただ、ここには、もしかするとアレルギー専門医の間でも管理が異なるかも知れないという点があり、例えば、お子さんのような軽い蕁麻疹の場合は食物経口負荷試験の結果として「陽性」ではなくて「判定保留」として「再度の食物経口負荷試験または⾃宅での反復摂取で症状の再現性を加味して最終的に陽性か陰性か判定する」という方針を取る先生もいらっしゃいます(参考:https://www.foodallergy.jp/manual-ofc2020/ofc2020-2/#7)。 同様に、お子さんに出た症状が口の周りだけの赤みや蕁麻疹であれば、「うどんの付着による局所の症状」として「判定保留」のような扱いにする先生もいらっしゃいます(参考:「食物アレルギー?食べたら口の周りが赤くなった!」https://note.com/kids_allergy/n/n939d50e6c794)。お子さんの蕁麻疹がや「口の周りや顔だけ」であったのか、体にもあったのか、で管理の方針は変わってくるかと思います。 また、「うどん1gが食べられるのであれば食べておいた方が良いか?」という質問ですが、そもそも、食物アレルギーがあっても「安全に食べられるのであれば食べておいた方が有利」かと思われますが、上記の通り手引きではうどん2gで蕁麻疹が出る場合は完全除去の指導となっておりますし、やはりその1gを食べること自体を安全だと判断するかどうかは、医師間の差、病院間の差があるかと思います。これは実際に普段診て頂いている先生、緊急時に対応して頂ける先生とよくご相談して食べて良いかどうかを決めるべきかと思います。 ちなみに、僕は出来るだけ完全除去を避けたいという考え方ですので、親御さんと相談して少しでも食べるという方針を取りがちです。もちろん、症状が出た際の対応も出来るがために相談が可能です(それが正しい管理だと言っている訳ではありません。少しでも食べている方が有利と考えあくまで親御さんと相談して進めているというだけです) いろいろ書いてきましたが、まとめると、かかりつけの先生の管理は一般的であること、ただ軽微な症状または局所の症状だけと判断すれば2gなり5gを再度食べることを試してみることもあること、さらに1gは大丈夫そうと判断されれば1gは食べて良いと指導されることもあります。かかりつけの先生とよくご相談ください。
2023年02月02日 17時28分