相談詳細
指名:こどアレ@小児科医|アレルギー専門医 先生
卵アレルギーの消化管アレルギーについて
10歳未満男性
回答済み
ご指名でのご質問ありがとうございます。 5歳のお子さん、卵アレルギーについて、「生後8ヶ月~1歳半過ぎに卵黄で3時間後に嘔吐、特異的IgEは卵白・オボムコイド共に100以上、卵白入りパンの誤食で顔がぱんぱんに腫れた、卵黄の消化管アレルギーと卵白の即時型アレルギーの両方がある気もする、4歳までは完全除去としていた、心配で病院を変え今の主治医の指示で卵白入りの麺を増量中(現在4㎝)、このまま良ければ次のステップは卵豆腐と言われている、消化管アレルギーでも治療は同じか?」というご質問でした。 仰る通り、1歳半頃までのアレルギー症状が卵黄の消化管アレルギーの可能性はあります。ただ、その後パンで顔が腫れていますし、特異的IgEも高値ですし、消化管アレルギーだけと考えることは困難です。消化管アレルギーに関しては成長と共に治ることが多く、仮に以前消化管アレルギーがあったのだとしても、既に治っている可能性があります。今問題とすべきは、やはり「即時型アレルギー」の方となります。 非常に申し上げにくいことなのですが、少しずつ食べていた方が食物アレルギーが治っていく可能性は上がりますので、今の主治医の先生が少しずつ食べ進めさせてくれていることは良いことかと思います。ただ、「食物経口負荷試験」というのは自宅で少しずつ食べることではなく、病院にて、該当アレルゲンがどれくらいまで食べれるか、あるいは、どの量なら安全に食べられるか、などを見極める検査ですので、お子さんがされているのは食物経口負荷試験ではありません。ぜひ病院で食物経口負荷試験をされて安全に食べられる量を確認されると良いかと思います。 また、実際のところ、卵白入りの麺にどれくらい卵白が入っているかは重要で、その麺の量で果たしてお子さんの免疫の誘導になっているのかどうか、今のペースが妥当なのかどうか(個人的には非常にゆっくりなペースかと思います)、次のステップは卵豆腐で良いのか、卵豆腐にどれくらいの卵白が入っているのか、卵豆腐で実際どれくらいの卵白を食べられているかわからないと他の食品への換算も出来ませんし、食の幅が拡がりませんので、進め方としてはかなり気になるところです。 また、お子さんについては、近々にある程度の量を食べた際にどんな症状が出るのかがわかっておりませんので、お子さんが重症なのかどうかはわかりませんが、重症なお子さんの場合では、アナフィラキシーなど高度な症状を起こさないように誤食の対策の指導をしたり、少しずつでも治ってもらうべく食べ進める必要もありますし、普段の食事の相談や指導、さらには、緊急時の対応の対策の指導や今後の学校での注意点の指導、場合によってはエピペンを所持する可能性もあるのかも知れません。主治医の先生にはそのあたりのことまで総合的に診て頂く必要があります。 辛辣な内容になりましたが、小児アレルギー専門医としてあえてお子さんのために書かせて頂きましたが、もちろん僕としても主治医の先生のことを悪く言うつもりは毛頭ありませんが、お子さんが重症っぽいようであればあるほど、食べ進められていないなら尚更、より専門性の高い先生に診て頂く方が良いと思います。除去が長いと卵嫌いになってしまうことも多々あります。現時点でもっと食べられるかも知れませんし、逆に想定以上に重症かも知れません。今後、食物経口負荷試験を実施されている、標準的な食物アレルギーの進め方の指導や食事指導をされている、緊急時の対応をして頂ける、お近くのアレルギー専門医の先生に診て頂けると良いかと僕は考えます。ご気分を害されたら申し訳ありません。ご家族ともぜひご相談ください。
2023年02月14日 15時05分
編集済み