相談詳細
指名:こどアレ@小児科医|アレルギー専門医 先生
未発症のアトピーの対処法
10歳未満女性
回答済み
ご指名でのご相談ありがとうございます。 2歳のお子さん、未発症のアレルギーの対処法、「お尻が赤くなり皮膚科受診、念のためアレルギー検査とのこと、アトピーの数値が718IU/mL高く花粉症を発症すると言われ心配、市販の保湿剤は塗ってはいけないと言われた、これまで塗っていたので心配、対策はあるか?」というご質問でした。 いつもであれば「ご心配なことはぜひ主治医の先生にもお聞きになってください」と書くところですが、今回は申し訳ありませんが、ツッコミ所がいくつかありますので、ちょっと物言いさせてください。 まず、アトピー性皮膚炎の診断についてですが、日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aの中に「アトピー性皮膚炎はどのようにして診断されますか?」(https://www.dermatol.or.jp/qa/qa1/q03.html)という質問があります。「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と書かれております。アトピー性皮膚炎の特徴は、①かゆい、②特徴的な皮疹と分布、③ 慢性・反復性経過(6ヵ月以上)のある疾患で、アトピー素因はあくまで参考です(アトピー素因:家族歴・アレルギー疾患の既往・IgE抗体を産生し易い)。つまり、アトピー性皮膚炎の診断は湿疹の性状や持続期間にて決まりますので、血液検査はただの参考であり、通常、特定の引き金による蕁麻疹や鼻炎や動物アレルギーを疑う場合などでなければ、IgE検査は特に必要ありません。 お子さんの場合、湿疹が慢性的に続いていることではなさそうで、記載されていた「アトピー数値」とはおそらく「総IgE値」のことだと思いますが(TARCなら正常値ですし)、それは主に「IgE抗体を産生し易い」体質を指しますが、それだけではアトピー性皮膚炎との診断にはなりません。 また、市販の保湿剤、もちろん塗って頂いて構いません。そもそもヘパリン類似物質含有製剤も市販されてますし、お子さんがかぶれないもので、添加物や食物成分が多く含まれるようなものでなければ、ご使用頂いて構いません。むしろ、保湿剤を必要とされる方が全て病院に来られる方がお互いに大変です。 市販のヘパリン類似物質含有保湿剤については、やさひふ先生のツイートもご参考にしてください→(https://twitter.com/s96405539/status/1624729346031366144?s=46&t=L4hvlBKw-AVbWy6mgPGFqg) さらには、その「総IgE値」が高くても全員が花粉症を発症する訳ではありません。もちろん、アレルギー抗体を作りやすい体質ではありますし、なりやすい傾向はあります。ただ、近年スギ花粉症の方は40%とも言われ、多い県だと60%を超えますので、そのような「呪いの言葉」をあまり気にする必要はないかと思います。一般的な花粉症の予防としては、皮ふの状態を良くしておく、花粉の暴露を減らす(マスクやゴーグル、室内に持ち込まない、など)ですが、まだ2歳のお子さんですので、個人的には、あまり気にされなくて良いかと思います。 最後に、これは全く個人的な意見ですが、断定的にあまり正しくないことをいろいろと仰る先生には気を付けられると良いかと思います。ご心配でしたら、お近くの違う病院、アレルギー専門医に受診されると良いかと思います。
皮膚科で「アトピーだね」と言われ、発症せずともわが子はアトピーなのだと思っていました。
やさひふ先生も参考にしながら保湿は継続し、花粉症も気にしすぎず過ごします。
病院は変えようと思います。
不安な気持ちが救われました。
お忙しい中ご回答ありがとうございました!
2023年02月15日 08時18分