相談詳細
指名:akina 先生
ホワイトニングについて
20代男性
回答済み
ご質問ありがとうございます。
一口にホワイトニングと言っても、仰る通り色々あるので、難しいですよね。
【前提】
まず、大前提として、オフィスホワイトニング=ブリーチングとして話をしようと思います。
広義のホワイトニングには、歯の汚れや着色を落とすのも、ホワイトニングに含まれます。
ただ、通常歯医者さんがいうホワイトニングは、狭義のホワイトニングで、歯の漂白(ブリーチ)を指すことが、ほとんどです。
そして、このブリーチングは、過酸化物を使って行います。
” 現在、歯の漂白(ブリーチ)効果が学術的に認められているものは、いずれも過酸化物からなるホワイトニング剤を使用する方法で、医薬品医療機器等法(旧薬事法)上、医療用具(歯科材料)とされており、歯科医師または歯科衛生士の資格を持たない者がこれを用いて施術する事は違法行為になります。"
と、日本歯科審美学会は発信しています。(※1)
過酸化物とは具体的に過酸化水素や過酸化尿素の事です。
詳しくは『ホワイトニング用歯磨き粉で芸能人の歯の白さに?』(※2)を読んでいただけると幸いです。
~結論①~
このことから、一つ結論が出ます。
もし歯の汚れや着色を落とすだけではなく、
歯の漂白(ブリーチング)を希望するなら、過酸化物を含む薬剤を使っている歯科医院でホワイトニングを受けるのが良いと思われます。
【オフィスホワイトニングの違い】
”医院によって値段もピンキリで、ホワイトニングの機種や、照射時間、一回当たりの照射回数などバラバラで”
とあるように、たしかに医院によって違いがあると思いますので、次の3点に絞って説明しようと思います。
①歯科用漂白材の製品の種類による違い
②照射する機械の違い
③値段の違い
~①歯科用漂白材製品の違い~
私の主観だと、各製品で照射時間が大きく異るって気はしてないですが、時間の感覚は人それぞれなので、各製品を実際に見てみたいと思います。
現在、日本で承認されている歯科用漂白材は5種類です。
その5種類を表にしてみました。
いずれの漂白材も過酸化物が入っています。なお、例として日本での承認薬を例に挙げましたが、海外の未承認薬だから効果がないというわけではありません。
各製品の添付文書やホームページを確認すると、使用方法が確認できます。(※3~7)
それをみても、大まかな施術の流れは変わりません。各社のホームページを見てもらったほうが、図があるので、イメージし易いでしょうが、説明しますと。
- カウンセリング:歯科医師と患者がホワイトニングについて話し合い、治療についての説明や、ホワイトニングの効果やリスクについての説明が行われます。
- 治療前の処置:歯のクリーニングや、口腔内の検査、術前の歯の色の確認などが行われます。
- 保護:歯茎や口唇、あるいは目に、薬剤が影響しないように保護します。
- ホワイトニング材の塗布:ホワイトニング材を歯面に塗布します。
- ライト照射:ホワイトニング材を塗布した歯面に特殊なライトを照射します。光によって、ホワイトニング材の反応が促進されます。
- 洗浄:一定時間後、ホワイトニング材を洗い流します。
- 保護材の除去:保護材を除去します。
- 治療後の清掃・確認:歯をクリーニングし、ホワイトニング材が残っていないか、また口腔内に何か違和感がないかを確認します。歯の色の変化を確認します。
主にこのような流れです。4~6は歯の色の変化を見ながら、3回を限度に繰り返す事があります。各製品で違いが大きいとすれば、手順5です。この部分を先程の表にまとめてますので、ご覧ください。
60秒から10分と確かに幅がありますが、私は大きな違いとは感じませんでした。
~②照射する機械の違い~
先程の表で、「1歯あたり~」となっている点は注意だと思います。
1歯ずつ一本一本、照射していくと、当然ながら時間がかかります。
例えば、上の前歯は6本ありますが、1歯あたり3分かかれば、
3×6で全部で18分照射に時間がかかることになります。
そこが1歯ずつ照射する機械じゃなくて、お口全体をまとめて照射出来るような機械だと格段にスピードアップすることになります。
表にある、ホワイトエッセンスは、もともと、口全体を照射する機械を使うことが前提なので、「10分」とほかと比べて長時間の照射になっているのだと思います。
~③料金の違い~
これに関しては、自由診療であるため、各医院で自由に設定できるため、なんとも言えません。
~結論②~
ここまでで、各製品と照射器の違いで施術時間が変わるという事を説明しました。
一つの考え方として、ホワイトニングを希望する歯が多いようであれば、口全体を照射する機械が置いてある医院を選ぶのも、治療時間短縮の意味でありだと思います。
【まとめ】
歯の漂白を希望するなら、歯科医院で!これはとても重要な点だと思っています。
次に製品や照射器の違いを説明したものの、それによる違いは、「その歯科医院が信頼できるか」に比べると小さな違いであるように思います。
というのも、歯のホワイトニングも2016年から特商法の適用を受けるようになっていますが(適用かどうかは場合によります)、これはホワイトニングにまつわるトラブルが社会的に増えているという背景によるものだと言われています。(※8)
「歯が白くならなかった」「思っていたのと違う」「痛みが出るなんて聞いてない」など色々なトラブルがあると思います。
そのようなトラブルを避けるために患者さんサイドが取れる、一つの自己防衛手段として、信頼できそうな歯医者さんを選ぶのは重要だと思います。
なぜ、有資格者にしか許されていないかと言えば、場合によっては副作用が強く出るからです。ホワイトニングという言葉で親しみがあっても、一つの医療・施術であることを忘れてはいけません。歯がしみる、などのトラブルにしっかり対応してくれる医院が良いですよね。
信頼できる歯医者さんを選ぶのも、また簡単ではないのは分かっていますが、私として最初のフィルターとしておすすめしているのは、ホームページやインスタグラムなどをチェックして、
「ルール違反」をしていないか見ることです。
ガイドラインに違反する医院は、不勉強か、誠実性が低いかのどちらかです。
ガイドラインはこちらを見るのが一番わかりやすいと思います。(※9)
医院選びに関しては、『『手を取り合える関係を目指して』~歯科医院に悩まれる皆様へ~』という記事も読んで頂けると嬉しいです。(※10)
長くなりましたが、なにかお役に立てていれば幸いです。
トラブルや後悔なく施術を受けられることを祈っております。
※1:https://www.jdshinbi.net/information/whitening.php
※2:https://note.com/moody_dent_info/n/n3bc72aaa9032
※3:オパールエッセンス https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/166241_22900BZI00033000_A_01_03 https://www.opalescence.jp/products/opalescence-boost
※4:ティオン https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/340045_22200BZX00785000_A_01_04 http://www.gcdental.co.jp/tion/office/step.html
※5:ピレーネ https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/530104_21800BZZ10066000_A_01_01 https://www.dental-plaza.com/article/pyrenees/m04-process/
※6:ホワイトエッセンスホワイトニング https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/832000_23000BZX00368000_A_01_02 https://www.whiteessence.co.jp/we-officewhitening/index.html
※7:松風ハイライト https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/832000_23000BZX00368000_A_01_02 https://www.shofu.co.jp/pickup/whitening/process.html
※8:https://www.jdshinbi.net/pro/pdf/shishin_hp_20200403.pdf
※9:https://www.mhlw.go.jp/content/000808457.pdf
※10:https://note.com/moody_dent_info/n/n42c3b2e69e7c
2023年02月28日 18時02分
編集済み
参考になりましたか?
ハートを贈りakina先生を
サポートしよう!
普段の診療は、むし歯治療、歯周病治療、審美修復、入れ歯、インプラント、矯正治療、ホワイトニングなどを扱っています。
お気軽にご相談下さい。