指名:こどアレ@小児科&アレルギー 先生

ピーナッツアレルギーについて

10歳未満男性

3歳6ヶ月の息子についての質問です。
1歳6ヶ月にピーナッツバターを一口試した時に発疹があり、掛かり付け医を受診した歴があります。当時は数ヶ月あけてまた少量試すように指示があったのですが、コロナ禍により救急受診が難しいかもしれないとの思いから試しをしていませんでした。
その後、コロナも落ち着いてきたため、3歳時よりピーナッツバターを少量与えて様子をみていました。しかし、先日舌の痒みを訴え、掛かり付け医を受診、検査してもらったところIgE値112、ピーナッツの特異的IgE値は0.97でクラス2。医師からはピーナッツは食べないように、幼稚園でも除去してもらう事とのお話がありました。
もともと保湿をしても肌がカサつきやすくアレルギーでるかと心配していたのですがピーナッツアレルギーがでてしまいショックを受けている状況です。
先生にお聞きしたいことは今後の方針として、完全にピーナッツを除去して生活をしていった方が良いのか、身体の成長に応じて掛かり付け医等と相談して試して行った方が良いのかということです。
ご多忙のところ恐れ入りますがよろしくお願いします。

回答済み

小児科

ご指名でのご相談ありがとうございます。3歳6ヶ月のお子さん、ピーナッツアレルギーについて、「1歳6ヶ月時にピーナッツバター一口で発疹、3歳時にピーナッツバター少量で舌のかゆみがありかかりつけで検査、ピーナッツの特異的IgE値0.97で除去するように言われた、ずっと除去?かかりつけ医と相談して試していく?」というご質問でした。

確かにピーナッツアレルギーは治り難いアレルギーではありますが、成人とは異なり、乳幼児期に発症したピーナッツアレルギーに関しては治っていくお子さんも一部居ます。報告により異なりますが、20-30%程度のお子さんが治っていたという報告があります。さらには、ピーナッツの経口免疫療法については、60-90%で治ったという報告もあります。

ただし、「重症度が高い」=「症状が強い・検査結果が高い・皮ふテストの反応が強い」などのお子さんは治り難い傾向があると言われております。お子さんの場合、食べた量がどの程度かにもよりますが、ピーナッツバターを食べた際に出た症状が「舌のかゆみだけ」で、体のじんましんや咳、嘔吐など他の症状が無いようであれば、幸いひどいアレルギー症状ではなさそうです。

ピーナッツアレルギーに関しては特異的IgE検査でのピーナッツの項目だけでなく、より症状が出るかどうかに結びつくアレルゲン成分=「コンポーネント」で「Ara h2」という項目が非常に参考になります。「Ara h2」が著明に高ければ症状が出る可能性が高く、なかなか再度食べることを試しにくくはなりますが、アレルギー専門医の先生であれば、結果を見つつ、病院での食物経口負荷試験を施行して治ったかどうか確認することもあります。

今後治る可能性もありますし、少しずつでも食べられれば食べている方が有利ですし、逆にその後悪化して少量の摂取でもひどい症状が出がちであればエピペン=アドレナリン自己注射を持つことになるかも知れません。ぜひお近くにアレルギー専門医の先生に受診されると良いかと思います。

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2023年04月06日 21時12分


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