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相談詳細

指名:相川晴(HAL) 先生

補完食とアレルギー

10歳未満女性

生後4ヶ月半の娘の体重増加が緩やかなので、5ヶ月より補完食を検討しております。母乳で足りない栄養を補完するという考え方がとても良いと思うのですが、食物アレルギーについて少し心配です。未消化のタンパク質がアレルギーの原因になると聞いたのですが、まだ消化器官の未熟な5ヶ月の赤ちゃんに、いきなり1日2回も消化しずらい形状(5倍がゆ)や負担のかかるもの(肉など)を与えて、アレルギーの発生率が上がらないでしょうか?それとも補完食を始めるなら6ヶ月まで待った方が良いのでしょうか?お忙しいところ恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸いです。

回答済み

一般内科

ご質問ありがとうございます。


さて、5ヶ月より補完食を検討しているが、食物アレルギーが心配。まだ消化器官の未熟な5ヶ月の赤ちゃんに、いきなり1日2回も消化しずらい形状(5倍がゆ)や負担のかかるもの(肉など)を与えて、アレルギーの発生率が上がらないか、6ヶ月まで待った方がよいのかというご質問ですね。


消化によい悪いについては、こちらにも一部回答していますのでよかったらご一読ください。

https://twicure.com/questions/1220

五倍がゆの形状が消化しづらいかは、潰しているか否かも関与してきそうですが、おそらくきちんと加熱して作る&潰してれば十倍粥との違いは水分だけかと思います。ご飯を食べた後に水を飲んでも消化がよくなるかどうかは疑問なのと同様に、五倍粥も十倍粥も消化に違いがあるかは……? と思います(胃を通過する時間は違うと思います。水分が少ない分、五倍粥のほうがおそらく腹持ちがよいかと)


アレルギーに関して言いますと、かつてはアレルギーは赤ちゃんの消化機能が未熟なせいで起こるのでは? と考えられ、2000年にアメリカの小児科学会は、ピーナッツを3歳まで与えないようにと推奨しました。未熟な消化機能が原因であれば、しっかり大きくなってから食べさせれば大丈夫なはずですよね。しかし実際には、ピーナッツアレルギーのお子さんが逆に増加する結果となりました。これはなぜでしょう。

これはどうも未熟な消化機能が問題ではないのではないか……? ということで、「二重暴露仮説」という説が考えられました。これは、アレルゲンは消化管じゃなくて、「皮膚」から入ることでアレルゲンを悪者だよ! と体が認識し(これを「経皮感作」と言います)、アレルゲンは口から入るとむしろ「これは悪者じゃないよ!」と認識(経口免疫寛容)する、という説です。で、さまざまな研究の結果、現在はこの説が有力と考えられています。

実際にピーナッツと卵に関しては、離乳食の早い段階で食べ始めたほうがアレルギーを起こしにくいことがわかっています。


まだ詳しく書き始めるとめちゃくちゃ長くなるんですが、五倍粥や肉を早い段階で1日2回与えることで、米や肉のアレルギーが増えるか増えないかという研究はありませんので、実際には「わからない」のですが、これまでの研究や他国の状況から考えると、可能性としては大変低いだろうと私は考えています。(もしそういうことがあれば、もうすでに補完食を取り入れている他の国で問題が起こっていると思います。お米の離乳食を食べるのは日本だけではないですし、そもそも私が生まれた頃は5〜6ヶ月から茹で卵黄やレバーペーストを食べさせるよう指導されていました)


ただ、でもやっぱり不安だな……と思うのであれば、これはもう無理なさらないほうがいいと私は思います。日本の離乳食も補完食も基本は同じですので、日本の離乳食の進め方でも問題はないと思います。ただ、鉄を多く含む食品がどうしても遅れがちではありますので、鉄を強化したベビーフードなどを上手に取り入れてもらえると嬉しいなと思います。


消化やアレルギーに関しては拙書「赤ちゃんのための補完食入門」にも書いていますので、もしよかったら手に取っていただけると嬉しいです(図書館にもあります)


少しでも参考になれば幸いです。


参考

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6157280/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18539191/

Du Toit G1, Roberts G, Sayre PH, Bahnson HT, Radulovic S, Santos AF, Brough HA, Phippard D, Basting M, Feeney

M, Turcanu V, Sever ML, Gomez Lorenzo M, Plaut M, Lack G; LEAP Study Team.Randomized Trial of Peanut Consumption

in Infants at Risk for Peanut Allergy.N Engl J Med. 2015 Feb 26;372(9):803-13.

Osamu Natsume, Shigenori Kabashima, Junko Nakazato, Kiwako Yamamoto-Hanada, Masami Narita, Mai Kondo, et

al.Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomised, double-

blind, placebo-controlled trial.Lancet. 2017 JANUARY 21;389:276‒86.

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2023年05月19日 14時51分


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