体重増加を目的としたMCTオイルの使用について

10歳未満男性

いつも参考になる回答をありがとうございます。
1歳半の息子のことで相談です。
先日、1歳半健診で体重増加について8.4kgで指摘がありました。身長は順調に伸びています。
離乳食から幼児食になり、好き嫌いなくよく食べる方だと思います。白米なら130gと野菜たっぷりの汁物、主菜を完食します。
もともと正産期の低出生体重児でしたが、特に処置することなく退院し、正常範囲下限ぎりぎりでしたが成長曲線に沿ってここまで来ました。しかし、歩き出した11ヶ月くらいから体重が8.5kg前後から増えません。
先生からは食べる量を増やしてみて、量が食べられないようならMCTオイルを少しかけてはどうかと勧められました。
とりあえずは補食をおにぎりなどカロリー高めにしていくつもりなのですが、MCTオイルに馴染みがなく、またあまり情報がないので取り入れるのに躊躇しています。
健診のときにもう少し詳しく聞けば良かったのですが、小児科で体重を増やすために一般的におすすめされるものなのでしょうか?
一般的なご意見がお聞きできればと思い質問させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。

回答済み

小児科

こんばんは。ご相談いただき、ありがとうございます。

1歳半検診で体重の増えが悪いことを指摘され、食事にMCTオイルを加えてみるのはどうかと提案されたが、一般的に勧められるものなのかどうかというご相談ですね。

生後11か月ころから体重があまり増えていないものの、身長は順調に伸びておられる状況ということですね。文面からは、発達面でも特に問題はない状況ということでよろしいでしょうか。


乳幼児期の体重増加不良はとても悩ましいことだと思います。もともと正期産の低出生体重児ということですので、体重は増えにくい状況なのかもしれませんね。ひとまず、好き嫌いせずによく食べてくれていて、体重の増え以外には特に問題がないということであれば、様子をみつつ摂取エネルギーを増やす方法を考えていく段階かと思います。

何らかの原因があることもないわけではありませんが、多くは摂取エネルギーが消費エネルギーに対してやや少ないという状況ではあると思います。


こういった状況でMCTオイルを日常的に勧めるかというと、個人的にはあまり積極的に勧めていることはありません。食事の摂取ができていれば、食事の量・種類を徐々に増やしていくで良いのではないかと考えているからです。

ただ、MCTオイルそのものは小児科医にとってよく馴染みのあるものです。それは低出生体重児や心臓・呼吸器などに病気があり、水分の量を増やせないけど体重を増やしていきたいという場合にはMCTオイルを使用します。また、集中治療という場でも同じく水分の量を増やせないけどエネルギーを増やしたいという理由でMCTオイルを使用することがあります。なので、体重を増やしていくという目的で使用すること自体には大きな問題はないとは考えます。


今回おすすめしてくれた先生も新生児領域や集中治療領域などにお詳しい先生などかもしれません。普段から勧めているものの場合には、検診などの場でも勧めるということは十分ありえることかと思います。

ただ、実際にどのくらいの量を摂取するべきかというのは少し悩ましいところであることも事実です。ご興味がある場合には、小さいスプーン半分くらいからスープや副菜などに加えるくらいであれば特に問題もないかと思います。


体重を増やしていくということは、どうやっても難しいことは少なくなく、ある程度の期間をみていく必要があることは多いです。私が普段説明することとしては、体重が増えるために必要なエネルギー量は人によって変わるので「一般的にこの年齢ではご飯〇〇g、副菜〇〇g」などは本当に目安でしかなく、体重が増える量まで食べられれば適宜増やしていってよいかと思います(もちろんある程度バランスは取っていく必要はありますが)。また、1回の量が少ない場合にはご指摘いただいているように、補食におにぎりなどある程度エネルギーのあるものを活用するなどがやはりおすすめです。


1歳半検診の次の検診は3歳時検診になってしまうかと思いますので、よろしければときどきかかりつけの先生と栄養状態についてご相談いただくことがおすすめです。もちろん保健師さんなどでも良いかと思います。


お答えとしては上記となります。ご参考になりましたら幸いです。


丁寧な回答をありがとうございました。小児科医の先生方には馴染みのあるものと聞いて安心いたしました。またかかりつけ医とも相談しながら経過をみていきたいと思います。

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2023年05月18日 00時01分


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小児科専門医です。専門はアレルギーですが、小児に関することは幅広く診療しています。何かしらお力になれれば幸いです。

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