産後うつを防ぎたい
30代女性
回答済み
【産後うつを防ぐにはどうしたらいいか?】というご相談ですね.
お子さん, ご家族の心のサポートを行う立場の小児科医から回答させていただければと思います.
まず, 改めてですが
【ご出産おめでとうございます💫】.
生まれてきた赤ちゃんのためにも,
お母さんを守ることにお力を貸すことができればと思います.
まず【産後うつの基礎知識について】です.
ご存知かもしれませんが,
産後うつは, 出産した女性の10~15%,
つまり6〜10人に1人が経験する, とてもよくある現象です.
産後6週頃から増えてきます.
(産後6週は赤ちゃんの泣き声が大きくなる頃とも一致しています)
ご相談の文章にあった, 一時的な涙脆さは, 多くの場合1週間いないでは改善し, ベビーブルーと呼ばれ, 産後うつとは区別されます.
【産後うつのリスク】として,
- 過去にうつの既往があること
- 望まない妊娠, 予期せぬ妊娠であること
- 一緒に子育てを行ってくれる家族やサポーターがいない
- 出産に伴うネガティブなエピソード(過去の流産, 出産に伴う強いお母さんの痛みがとても強い, 赤ちゃんに病気があり入院する)
などが知られています.
そして【うつを防ぐために重要なこと】は
- 一緒に子育てをしてくれる人を確保すること
- 睡眠をとる
- 食事を摂ること
- まだ余裕があっても, 余力を残して休むこと
- 辛い時には辛いと話すこと・伝えること
です.
とにかく【1人で赤ちゃんのお世話をしてはいけません.】
僕も出会うお母さん達に
「『小児科の先生に, 余裕があっても, 他の人に任せて休むように言われた』とパートナーやお母さんのご両親に伝えてください.」とお話ししています.
相談者様も周りの方に『小児科の先生に, 余裕があっても, 他の人に任せて休むように言われた』と伝えてください.
お母さんが休むため, 寝るため, 食事を摂るためには,
お母さんの他に赤ちゃんを抱っこしたり, 見ていてくれる大人が必要なのです.
特に睡眠が重要です.
まとまった睡眠時間(できれば6時間)とってください.
生まれてきてくれた赤ちゃんが大切だからこそ,
お世話を全部やってあげたくなると思いますが,
そこが落とし穴です.
1人でやらず, 余力を残してください.
もしパートナーの方がいるなら,
そのパートナーの方(お父さん)が赤ちゃんと関わる時間を作るためにもお母さんは赤ちゃんから離れてあげてください.
そしてもう一つ付け加えます.
6. ★赤ちゃん以上に, お母さんになったご自分を大切にしてください
赤ちゃんを大切にするには,
お母さんが大切にされていなければできません.
【小児科医からの心からのお願い】です.
もしかしたら, これが最も大事なことかもしれません.
そして万が一心の不調を感じたら,
迷わず, 赤ちゃんのために受診して下さい.
大事なことは産後うつを防ぐことですが,
もっと大事なのは産後うつになったとしても,
赤ちゃん, お母さんの人生に悪い影響が出ないようにすることです.
そのためには早期に治療を始めることが重要だと思います.
この回答が赤ちゃんとお母さんが安心して過ごせることに繋がっていたら幸いです.
ぜひ赤ちゃんのために, 積極的に休んで下さい.💫
心から応援しています🌟
いつでもご相談くださいね❣️
2023年05月25日 21時36分
編集済み
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です.
【公認心理師】の資格も保有してます.
3次救急を行っている当直医としても働いています.
お産の立ち会いにおける新生児の蘇生, けいれん, 呼吸器感染症, 喘息, 胃腸炎の対応なども行っています.
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