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指名:Dr.ニコ(小児歯科) 先生

出っ歯と授乳の関係について

10歳未満男性

2歳3ヶ月の男の子です。授乳と出っ歯についてのご質問です。

まだ授乳(1日2〜4回)しており、母乳じたいはほとんど出ていなさそうですが、いつも強くしつこく吸っています。飲みながら寝落ちすることもあります。
小児歯科に定期的に通院しており、歯が生えた後も授乳を続けると上顎が吸引のせいで前に突き出した形に変形し、歯の生え方も出っ歯になると言われています。今月の検診でも,4ヶ月前と比べて上顎が前に出てきていると言われました。

私の気持ちとしては、長期授乳にこだわりがあるわけではないですが、断乳でなく自然に卒乳できるところまでは授乳を続けたいと思っています。
好き嫌いは多いですが、食事は問題なく食べています。

歯が生えた後も授乳を続けると出っ歯になるというのは,エビデンスのある話なのでしょうか?
そもそも授乳中の吸引力は体の中へ向かう方向なのに、上顎は前に出るのでしょうか…?
ニコ先生のお考えも教えていただけますと幸いです。

回答済み

歯科

ご質問ありがとうございます。2歳3ヶ月のお子さん、歯科医院で4ヶ月前より上顎が前に出ているとの指摘があったとのことで、歯が生えた後も授乳することで出っ歯になるのか、というご相談ですね。


ご質問内容から母乳での授乳と考えられますのでその点から回答致します。


色んな文献などを調査した報告1)に目を通すと、母乳での授乳でいわゆる出っ歯になる、といった文献はありませんでした。むしろ、下顎が後ろに下がってしまう(相対的に上顎が前に出てるようにみえる)かみ合わせに母乳による授乳が長期になる(6ヶ月以上)とその予防になる可能性があるかも?という文献も記載されています。(一方でそれは関係性がないとする文献もあります)

結論として、母乳での授乳はかみ合わせの異常がでるのことに対して予防的に働く可能性があるかもしれない(授乳以外に歯並びに関わる原因について考慮されていないので確実に!とはいえない)と書かれています。


これは母乳による授乳ではお口や舌の筋肉がバランスよく動くので、下顎の成長発達を促すとされており、母数が少ないものですが1歳6ヶ月、2歳、3歳と授乳を継続した子のかみ合わせを調査した報告2)によると、1歳6ヶ月から2歳までの間に母乳での授乳を継続した子(25人)は1歳6ヶ月より前に卒乳している子と比較して、下の前歯が上の前歯より前に来ているかみ合わせが有意に多いが、3歳まで継続した場合ではそのような傾向は認めないとされています。(この報告は指しゃぶりやおしゃぶりなどの癖がある子は除外されています)

これは私見ですが下顎の成長が促された後に上顎の成長がそれに追いつくことで、かみ合わせが改善するのではないかと考えられます。


なので母乳の授乳が直接出っ歯の原因になるというのは、私が見つけた範囲では根拠がなく、この4ヶ月で上顎が前に出てきた要因には当てはまないのではないかと考えます。


お子さんの年齢からまだ顎も成長過程にありかみ合わせも変化していきます。卒乳も含めてお子さんの成長に合わせて見守っていけると良いのではないでしょうか。


参考になりましたでしょうか?遠くからお子さんのお口の健康を応援しております。


参考文献

1) Montserrat Boronat-Catalá :Association between duration of breastfeeding and malocclusions in primary and mixed dentition: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep. 2017.

2) Yonezu, Takuro:Effects of prolonged breast- and bottle-feeding on occlusal characteristics in the primary dentition. Pediatric Dental Journal .2005

丁寧なお返事、誠にありがとうございます!

通園可能な場所の小児歯科専門医の先生が今の先生のところしかないので、関係悪化を恐れてあまり突っ込んだ質問ができずにいたのですが,安心しました。

噛み合わせについてはあまり心配しすぎず、長い目で見守りたいと思います。

1

2023年08月17日 17時43分


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