歯肉炎を治したい
30代女性
叢生と出っ歯のため裏側で歯科矯正を4年していましたが、あと数ヶ月で治療卒業する予定です。
これまで矯正クリニックからは裏側矯正なので念入りに歯磨きをするよう指導されてました。
しかし仕事や育児で多忙なこともあり情けないながら朝昼はほぼ歯磨き出来ず、夜もタフトブラシは一応使用してたものの疲労で磨きが不十分だった箇所も多々あったかと思います。
その結果メンテナンス時に歯肉炎を指摘されるようになってしまいました。
歯科医師によると歯ブラシが当たりづらい箇所の歯茎から少し出血が見られるとのことです。
痛みやしみる、その他違和感など自覚症状はないので、素人判断で恐縮ですが軽度~中程度かなと思います。
ただ最近、歯肉炎が進行し歯周炎になると歯を失うこともあるとネットで見掛けて怖いなとあらためて感じました。
最近は朝昼は相変わらずあまり歯磨きの時間は取れていませんが、夜はタフトブラシに加えて細めの歯間ブラシも用いてブラケットの隙間を丁寧に掃除してます。
あと矯正クリニックでは調整が中心になるので、一般歯科で定期的にクリーニングと歯の状態チェックをお願いするようになりました。
歯肉炎の傾向は矯正クリニック受診時と同様に一般歯科でも毎回指摘されますが、そこまで悪い状態だと言われたことはないです。
歯肉炎は完治させることができますでしょうか?完治が無理なら進行を止めることは可能ですか?
よろしくお願いいたします。
回答済み
矯正治療、お疲れ様です。
ご認識の通り、歯肉炎が放置され進行した場合、歯周炎という歯を支える骨が吸収(無くなっていく)するフェーズへ移行します。
歯肉炎と歯周炎をまとめて我々は歯周病と呼んでいます。
結論を申し上げると、検査結果で「歯肉炎」と診断されているならばその診断が間違っていない限り、それは完全に元の状態に戻ります(質問内で言うところの完治)。
歯肉炎は歯周病の最初のフェーズであり、歯肉のみの部分的な炎症のため、適切なブラッシング等でそんなに難しくなく元に戻ります。
歯肉炎の診断は基本的に
歯肉の赤みや腫れ(患者さんが自覚できないレベルの話を含みます)、検査時の出血の有無、そしてなにより、X線及び検査結果での「歯周ポケットの値や骨状況」から判断されます。
この最後の項目が歯肉炎と歯周炎の診断の違いとなってきます。
我々の世界では「アタッチメントロスの有無」などと呼ばれますが、それは覚える必要はありません。
さて、最後に1点、
歯肉炎は歯周病の最初のステップであるが故に、
1〜2日歯ブラシが疎かであった
くらいの状況でも起こります。
つまり、ここから1週間頑張れば改善してしまう事もあれば、そこから2日疎かにしたらまた部分的に歯肉炎になってしまう事もある。
そういった疾患であることを認識しておくと良いかと思います。
2023年11月08日 18時52分
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都心部の自費診療をメインとする歯科開業医(所謂一般GP)として忖度のない回答を行いますが、その分エビデンスや論文の提示を重視、というよりも経験則によるものや周りの専門医とのやり取りの中で培われたものによって回答する形です。
基本的に歯科に関してはどの分野でもある程度回答は可能ですが、強いて言うなら小児歯科に関してはあまり取り扱っておりません。